【怪談】その公園では
忌み田あるいは忌み地と呼ばれる場所がある。
地方によって癖地、病い田、祟り山など名称は異なるが、総じて持ち主に害をなす土地のことである。
Aさんの祖父は、地域でも有名なクレーマーだった。
家の目の前の公園で誰かが遊んでいるのを見かけると、昼でも夜でも、そしてそれが子どもでも大人でも構わず飛び出していって怒鳴りつけた。
近所の人によると、Aさんの祖父は昔、その市の職員だったそうだ。しかも地域の区画整理などを行う都市計画課の担当だった。「自分で公園を作っておいて、文句を付けるんだから世話はない」そう言って呆れ果てていた。
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