映画リハビリ
一時、映画が見れなくなり、そこから再び見れるようになるためのリハビリした経緯を書き残す。
仕事や生活の忙しさで、しばらく2,3年くらい映画を見れなくなっていた。もともと映画が好きで、1日3本くらい見たり、ピーク時は年間100本は優に超えるくらいには見ていた。
そんな中、映画がみれなくなった。物理的にも精神的にも。
まず物理的には、見る時間がない、仕事や家のことをしているうちに一日が終わり見るタイミングがない。
見る場所がない。時間的に映画館で見る期間はほぼなく家で見るにもリビングで見るには家族に気を遣う。部屋にこもってPC画面で見るのも画質や姿勢的に見づらい。
精神的には、物理的なところも要因になるのだが、時間がないので「貴重な時間をこの作品にあてても失敗しないか」を気にするようになってしまい、どの作品を見てもこの選択は間違ったのではと思うようになり、心から楽しめなくなった。
もともと鑑賞の満足度が高いのはヒューマンドラマ系だったりするが、前述の理由から意識が散っているのでじっくり向き合う映画を見るのがしんどくなった。だから、映画を見れたとしても何も考えなくてもいい派手なアクション系になってしまう。でも、派手なアクションは見るハードルが低いだけで見てよかったと思うことが少ない。満足が低く、結局見なくてよかったのでは?と思ってしまい。時間を無駄にした!そして後悔がやってくる。
映画を見る、見ようとすれば、そんな気分なので映画はどんどん遠ざかって行った。
それからいろいろあって休職することになり、図らずも仕事・生活の忙しさがなくなって物理的(時間・環境的に)には映画を見れる状態にはなった。せっかくの機会だから、ブランク?を取り戻すためにもしこたま見てやろうなるはずだったのだが、なかなか気が乗らない。映画見る力(えいがみるりょく)が極端に低下している。映画を選ぶ/集中する/一定時間拘束/良し悪しの判断という工程が、しんどい。
そんな中、これなら何とか見れそうと思える作品にいくつかあり、それには一定の傾向があることに気づく。そして少しずつ見ていくうちにその傾向が変化していった。リハビリのように。
映画見る力が低くても見れる作品の条件
90分前後
コメディ系
アニメ
邦画
おバカアクション
90分以内
これまでの忙しさゆえにタイムパフォーマンスの呪いにかけられている。2時間も何かに費やすことに抵抗が生まれた。だから2時間以上の作品は敬遠してしまう。なので、90分なら何とか見れそうな気がして作品選びの時に作品時間をむっちゃ気にするようになった。できるだけ短く90分程度が望ましい。
コメディ系、アクション系
作品にじっくり向き合うことができなくなってるので、心情の機微や物語をじっくり追えない。あまり考えずに済むような作品、元気なれる作品を探す傾向が強くなった。できるだけ、馬鹿馬鹿しい方のが望ましい。ストーリーもあってないようなものがいい。今思うとその心理状態は末期だったなと思う。
アニメ
アニメである時点で映像に見ごたえがある。なので、ちゃんと向き合わなくても満足度を高い気がしてアニメを選びがちに。これまで積極的にアニメ作品を見ているわけでなかったので、自分変わったなと思った。
邦画
なんども言うがじっくり向き合えない。なので字幕を追うのがしんどくなり、邦画の見やすさに気づく。究極、画面見なくてもストーリーは追える。アニメと同じく邦画は、ほぼ見なかったが、感動的なくらいほんと見やすい、わかりやすい。アクション映画が見やすいのは、この仕組みと同じで、字幕を本気で見なくてもいいからだろう。
実際その条件で見た映画(見た順)
MONDAY 邦画、コメディ、90分 一発目がこれでほんとによかった。
ガンズ・アキンボ おバカアクション、90分
ハッピーデスデイ 90分、ある種コメディ
Mr.ノーバディ 90分、アクション、ある種コメディ
パームスプリングス 90分、コメディ
タイラーレイク アクション。※2時間作品で結局集中できずスマホ触りながら見てしまった。
まともじゃないのは君も一緒 邦画、コメディ、90分
映画大好きポンポさん アニメ、90分、コメディ
ケイコ目を澄ませて 90分、邦画 ※じっくり見る系だけとなんとか見れた良かった
ガンパウダーミルクシェイク アクション なんとか慣れて2時間だけどみれた
ゴジラvsコング 90分、ある種ほぼアニメでコメディ。このあたりから2時間に慣れてくる
ブレットトレイン おバカアクション。原作読んでてハードル下がってた。
メタモルフォーゼの縁側 邦画 向き合う系に慣れるにはちょうど良かった。
このリハビリ通しての目標があって、その課題作品が「ノマドランド」。アカデミー賞を受賞していたし、作品のテイストとしても見ごたえがあるはず!と思い、頭の奥の方でずっと見たいと思っていた作品。「2時間ちゃんと向き合う系雰囲気映画」なので、見る力が落ち切っていた自分はまず見れない。
リハビリを行った結果、14本目の作品として「ノマドランド」を見ることができた。鑑賞体験もとてつもなく良くて、作品の良さはもちろんのこと、最後まで見れたことで大満足。それに満足したせいでレビューをし損ねたのが唯一の後悔。
以降、3時間以上でも、ジャンルをある程度問わず、がっつり洋画でも見れるようになり、見る力の向上を実感。
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