餃子を作る啓蒙

餃子はいつだっておいしい。なんだっておいしい。餃子はおなか一杯食べたい。だから、買うだけでなく、餃子は作るのが一番いい。
作りさえすれば何個だって食べられる。どんな餃子だって食べられる。
あんがい、餃子はどうだって作れる。
そして、餃子を作ることは、餃子を食べること以上に私を惹きつける。

それでは餃子を作ってみる。
まずはあんをつくる。これが餃子の始まり。
キャベツや白菜をミキサーにかける。
めんどくさい時は、ニンニクとショウガも一緒くたに。
ニラは包丁で適当に刻む。
ニラがなくても餃子を作りたいときはある。そんな時は、玉ねぎかベランダに生えているネギを刻む。
肉はなんでもいい。豚でも鶏でも合い挽きでも。
ひき肉がなければ、細切れでももも肉かたまりでもミキサーにかけてしまえばどうにででもなる。
ザ・餃子の材料をそろえなくとも代用品で、十分に餃子味になる。
餃子は四捨五入。ニンニクの風味があって、あの皮に包んでしまえば、それはまさに餃子。

あんが用意出来れば、皮に包む。醍醐味はこの工程であり、餃子の本体は皮だ。
皮対あんの比率も自由。あんの量に特化するなら皮のヒダなんてなくたっていい。ギリギリ包めるかどうかくらいあんを詰め込んでもそれは餃子。それを焼いて、結果あんがはみ出ても、食べてしまえばやっぱり餃子。
黙々と包む。できればビールを飲みつつ包む。しっかりヒダをつけてもいいし、もちろんヒダがなくてもいい。あん一塊に対し皮を2枚使ってもいい。うまく包めたりそうでもなかったりを繰り返す、緩やかな変化の波。指先であんや皮を感じる手ごたえ。そして、後で餃子を食べられるという報酬が確定した作業。この工程を餃子と呼ぶ。

ここまでくれば、あとは焼くだけ。何も難しいことはない。
フライパンやホットプレートにこれでもかと敷き詰める。火加減はそこまで気にしない。たぶん中火でもなんでもいい。餃子の裏面が焼けてきたのさえ確認できれば、少量の水を流し込み蓋して蒸し焼きにしてしまう。そこさえちゃんとすれば、火加減がどうだあれ餃子はできあがる。
そしたら食べてビールを飲めばいい。ビールも餃子。

「餃子=餃子の王将の餃子」であると思いがちでしょう。確かにあれは至高の餃子の一つではあるが、あれだけが餃子なわけではない。餃子はあいまいなもので、先ほど述べたようにある程度それっぽい材料・作り方であれば、四捨五入で餃子なのだから。
でも皮だけは絶対に忘れないでほしい。皮が餃子の本体だから。

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