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逃避行(仮)

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ケルアックがやったような《自動記述的な》小説を書いてみようと、「上司を銃殺した男が女と逃げる」とだけ決めて、後はプロットも推敲もなく筆任せに書いていきます。
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2018年8月の記事一覧

逃避行(仮).2

タクシーが神保町に着くまで十五分とかからなかった。途中、パトカーが追って来たりしやしないかと、運転手に不審に思われない程度にミラー越しに何度か背後を確認したのだが、それらしい車は(勿論俺は、覆面パトカーの見分け方などまるで知らないのだが)一台もなかったようだ。さすがに、非常線が張られるまでにはもう少し時間がかかるのだろう。

太陽がやたらと眩しい。夏日照りだ。それにしても、太陽の光はこれ程澄んでい

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逃避行(仮).1

エレベーターに乗り込んだのは、犬飼と俺の二人だけ。ついに、そのチャンスがやって来たのだ。俺は、スーツの内ポケットを、上から摩ってみる。確かに、そこには硬い感覚があった。お笑い種だ。今日一日、ずっと俺は、胸のあたりを膨らましていたのに、誰一人それを指摘するやつはいなかった。後で、「確かに、彼は、スーツの中に何かを隠し持っていました」と、何人もの奴らが証言するだろう。隠し持っていた!確かに俺は隠し持っ

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