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引きこもりママとかっぱちゃん 7

学校から帰って来ると、
かっぱはテレビを見て笑っていた。

「ただいま・・・」

「みさきおかえりだかっぱ!」

私はかっぱを無視してママに話かけた。

「ママ、おやつは?」

「みさき!かっぱちゃんを無視しないで!」

私は振り返ってかっぱに言った。

「ただいまかっぱ、ふん!」

「感じが悪いだかっぱね、クソガキ!」

「ママ!かっぱがみさきの悪口言った!」

「何言ってるのかっぱちゃんが言う訳ないでしょ?」

「本当だよ。!」

かっぱがこっちを見て笑っていた。

私は怒ってかっぱを叩いた!

「みさき何してるの!叩いたらダメでしょ!」

「だってむかつくから!」

「妹でしょ!優しくして。」

「そーだかっぱよ!」

「かっぱ大っ嫌い!妹じゃないし、
みどりで気持ち悪い!」

「みどりは癒しの色だかっぱ、
みんなかわいいって言うだかっぱ!」

「はっ?みんなってだれ?」

「みんなはみんなだかっぱ。」

かっぱはそう言って、自分の部屋に行った。

ママの部屋のクローゼットが、
かっぱの部屋になっていた。

寝るときはママと一緒に寝ていて、
昼間はクローゼットの中にいることが多かった。

少したつとクローゼットから出て来て、
私に一冊のアルバムを渡して来た。

アルバムを開くと、
そこには外人と海で遊ぶかっぱが写っていた。
パーティーの写真、遊園地の写真など、
たくさんの写真が入っていた。

みんなかっぱを囲んで楽しそうにしている写真だった。

「かっぱはパリピだかっぱね!」

「はっ?・・・・その言葉古くない?
それより、どこなのここ?」

私は写真のことをかっぱに聞いたけどかっぱは、
個人情報は教えたくないと言って教えてくれなかった。

「かっぱちゃんの過去はいいじゃない。」

ママはそう言ってアルバムをかっぱちゃんに片づけるように言った。

かっぱはアルバムを片付けて「相棒」の続きをみている。

謎だらけのかっぱ。

でもかっぱが来てから、
家の雰囲気が変わった気がする。

かっぱのことは誰にも言っていない、
というか言えない、
家族だけの秘密、
それが私たち家族の絆を深めているのかもしれない。

 つづく




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