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運命と私 38

北沢と駅で待ち合わせて、
お昼ごはんを買って北沢の家に行くという流れになっていた。

急いで駅に行くと北沢の車が止まっていた。
「遅れてごめん」と言うと、

「大丈夫、俺も今来たところ。
さっ行こうか?お腹空いたよ。
お昼はケンタッキーでも買う?」

「うん、ケンタッキーがいい!」

北沢は優しい。
だから余計に心が痛い。

ケンタッキーを買って北沢の家に向かった。

北沢の住んでる部屋は、
2階建てのアパートの1階だった。
新築でおしゃれな外観の清潔感のあるアパートだった。

「汚いけど入って。」

「おじゃまします、なんかドキドキする。」

中に入ると広めの1LDKで、
物があまりなくて綺麗な家だった。
生活感があまり無く、
キッチンを見ると、
料理はしない人だとわかった。

男性独特の匂いがしないと思ったら、
消臭剤が置いてあった。

私が来るから、
一生懸命片付けしたんだなとわかる部屋だった。

リビングにはL字の大きい青いソファが置いてあった。

「大きなソファだね。」

「気に入って買ったんだ、
家にいる時はそこからほとんど動かないよ!」

そう言って北沢は笑っていた。

「紅茶飲む?」

「えっあるの?」

「川崎さんが飲むと思って昨日買っておいた。」

「ありがとう。」

キッチンに行くと少し高めの紅茶が置いてあった。

「私が淹れるよ、北沢さんも飲む?」

「うん、じゃ飲む!」

私はキッチンで紅茶入れた。

「女の人がキッチンに立ってる姿っていいよね!」

「そう?」

北沢は嬉しそうだった。

私たちはソファに座りケンタッキーを食べながら、
映画を見始めた。


つづく


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