3時間の1日。5
「また5時・・・」
いつもめまいがして戻るのに、
なぜ今日はドアを抜けたら戻ってしまったのか?
ドアは関係無いのか?8時だから戻ったのか?
頭の中がぐちゃぐちゃだった。
僕は公園に行って考えた。
なぜ戻ってしまうのか?
僕がベンチに座っていると、
女の人が隣に座って来た。
人に会うのは久し振でドキドキした。
見たことも無い女性だった。
ベンチは他にもあるのに、
なんでここに座ってきたのか?
「どう?3時間の生活は?」
「えっ?」
その女の人は優しく静かに話し始めた。
「あなたが望んだ生活はどう?」
「えっ?僕が望んだ?」
「あなたは私の顔を見て、
1日は3時間でいいって言ったじゃない?」
「えっ?あの・・・
どこかで会いましたか?」
僕は彼女の顔を見た、
キレイな人でどこかで見た顔だった。
「あっ!!転職サイトのポスターの人!」
確かにポスターの前で1日は3時間で十分って思った!
それがこの生活の原因なのか?
「そう、思い出してくれた?
あのポスターは特別な人だけが見えるポスターなのよ。」
「特別な人?」
「あなた見たいに、無気力で幸せを実感していない人だけが見えるポスターだったの!」
「えっ?無気力?僕が?無気力かな?」
「何もやる気になれない。
自分は行動しないで世の中の不満ばかりつぶやいて、
自分が世界の中心で、
自分が一番不幸だと思っている人。」
「悪口ですか?」
「違うわよ!事実よ!」
「・・・・・・あっそうですか・・・」
「でっ?3時間生活は楽しい?」
「・・・楽しくないです。
同じ毎日の繰り返しで刺激も変化もない。
このまま人生が終わってしまうのか?と思ったら、
怖くなりました。
でも良かった、あなたが元の世界に連れて行ってくれるんですね!」
「違うわよ、
私はただ現状を見に来ただけ!」
つづく
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