王子さま13

今日は子犬ちゃんとご飯を食べに行く約束をしていた。

待ち合わせ場所に行くと、
子犬ちゃんが野良猫に自分の持っていたお菓子をあげていた。

私はその光景を少し離れたところから見ていた。

子犬ちゃんは子猫がお菓子を食べているのを、
嬉しそうに見ていた。

その子犬ちゃんの表情を見ていて、
心が温かくなった。

子犬ちゃんは人を簡単に裏切る人間じゃない、
世の中には悪い人間のほうが少ない。

子犬ちゃんと出かけるようになり、
前より外出も増えて人間らしい生活が出来るようになった。

私は子犬ちゃんの気持ちを知っているのに、
その気持ちに答えてあげていない、
自分だけが傷付いた不幸な人間だと思っていたけど、
子犬ちゃんの気持ちを弄んでいる私が一番「悪」なのかもしれない。

「あっ!持田さん見て下さい、
子猫かわいいですよね。
でも僕の家じゃ飼えないから・・・」

「私が飼おうか?」

「えっいいんですか?」

「私のアパート、ペットOKだからいいよ。」

私たちはご飯を食べに行くのを辞めて、
ペットショップに子猫を連れて行った。

シャンプーをしてもらい、
必要な物を買って私の家に来た。

「持田さんの家か!緊張するな!」

「引っ越したばかりだからキレイだよ。
適当に座って。」

私は猫の部屋やトイレを配置した。

そして夜ごはんは私が作ることになった。

つづく


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