見出し画像

運命と私 2

いつもと同じ電車、
いつもと同じ車両に、
いつもと同じ高校生や、
いつもと同じおばさんが座っている。

いつもならスマホでどうでもいいニュースをみたり、
音楽を聴いたりするのだが、
その日は違っていた。

私は電車の音、人の足音、洋服の擦れる音、
外の車の音、すべての音を聞いていいた。

なぜだろ?

生きているって実感が欲しかったのかもしれない。

気が付くと私はなぜか泣いていた。

急いで下を向いてポケットからハンカチを出して、
涙を拭いて前を見ると、
向かいの席に座っている男の人が私を見ていた。

なぜか私たちは目が合ったままお互い目を逸らそうとしなかった。

それが彼との出会いだった。

後々思うとあれが運命の瞬間だったのかもしれない。

次の駅に着いて電車のドアが開くとたくさんの人が乗って来て、
向かいに座っている彼が見えなくなった。

イケメンだったな・・・
泣いてるの見られたのかな?

まっどうでもいいけど。

私はそんなことを考えながら、重い体を引きずり、
会社に向かった。


つづく


もっと飛躍する為の活動資金宜しくお願い致します。