【器のはなし】良い器を持っている人を完全に信用していることなどフリートーク
やりたい作業が終わらずにヒーヒーなっている中、今日が日本文化の話をする日というのに気がついてヒーヒーヒーとなった。カラムーチョのおばあちゃんよりヒーヒー言ってる。正直今日はあんまり時間をかけたくない。というわけで、日本文化にまつわるフリートーク回とする。
器の話をしていこう。器と言っても、私がよく知るのは伊万里焼だけで他のところはあんまりよく分かっていない。陶器よりも磁器の方が説明するのは得意だが、同じく磁器でも瀬戸や京焼、出石焼など見分けが付かないし、見てきた量も少ない。そういうのを置いている博物館とか骨董屋とか通えば、身につく知識ではあるのだけど、近所に都合の良い場所がないので今は諦めている。
逆に、伊万里や古伊万里はある程度分かるので、パッと見た時に珍しいかどうかや図柄の模様などを判別することができる。私が持っている器のほとんどは伊万里焼である。なので資料は家にあるとも言える。講座を受けたい知人はうちに来るといい。
とある金継ぎをされる有名な方のSNSで、たびたび料理の写真が載る。私は料理の写真が載っていると、料理より先に器に目がいってしまう。それで、器の部分を拡大してみるのだけど、その人の使う器が毎度良いものだらけで驚く。
先述の通り、私は伊万里しかほぼ分からないので伊万里だけを見て言ってるのだが、どれも江戸中期の古伊万里で、しかも柿右衛門まである。くらわんかのような質の低いもの(くらわんかは人気があって値段も高いが、質としてはかなり低い)や明治期のものは見かけたことがないので、雑器よりは献上品のような器が好みなんだろう。本当に良いものを持っている。すごい。直せると分かっていても絶対に割れない。絶対に割ってはいけない二十四時。
なので、私はこの方を信用している。この人が良いって言ったものは良いんだろう、料理もうまいんだろう。他の器も良いものばかりなんだろう。
料理よりも器に目がいくのは、ご飯を食べに行った時も同じである。カフェで可愛いカップアンドソーサーが出てきたら、どこのものか確かめる。カップとソーサーが同じ柄ならソーサーをひっくり返し、違うセットなら飲みかけのカップをそのまま上にあげて、下から底を覗き込む。
ナルミだとオッとなる。私でも知っている国内洋食器メーカー。なんだっけ、よく見るメーカーを思い出せないや。そっちはかわいくて安いのが多いんだが、まあ私と同じようなことをして色んな場所に行けば出会えるはず。
今ド忘れしているメーカーのものを持っていないか、私物を見てきたんだけど、リチャードジノリがあった。え!家にリチャードジノリあるの!知らなかった!完全にデザインだけで買ってた!いや、あれ、リチャードジノリだとしたら安すぎたな!?値段つけどうなってんだ!?
お料理屋さんでは、明治〜大正くらいの大量生産品を見かけることがある。大抵は小皿で、おぼんに色々載っている中の一つに紛れている。他の器は現代ものだったりする。
入り口に近寄るのも怖いくらいの値段の高いお店に行けば、江戸期の器が使われているんだろうか。それとも現代ものの高級品か。たまに猪口を壁にレイアウトしてるお店あるよね。それが総額まあまあしそうな感じだったりすると、こんなところに置いて大丈夫か……?ってなる。そんなに珍しいのは置いてないだろうけど、それでも安くて一つ六千円くらいはしそうだよなあってのがババーと並べられている店内はすごい。
先日の大江戸骨董市にて、若い女性二人組が和骨董の店のおじさんに「それは江戸時代の器だよ」と説明されていた。器を手に取った人の友人らしき人が「見る目があるってことだね」と冷やかしていた。う、このお店、江戸時代のしか置いてないよ、どれを手に取っても見る目があったよ、と思いながら一人で気まずい思いをした。江戸時代の良すぎず悪すぎないものを並べているお店だった。
他のお店でも「それは江戸時代の器で〜」と説明しているのを耳に挟んだ。お客は決まって「え〜すごい!」と言う。私は通りがかりで、その辺の出店にいっぱい並んでるよとニヤニヤする。
あ、もっと他のこと知りたくなってきたな。陶器か西洋骨董に詳しい人に色々教えてほしい。特に自主勉強用の教材を。
こういう系の話が好きな方は↓をどうぞ。
めでたし、めでたし。と書いておけば何でもめでたく完結します。