【古文のはなし】『土佐日記』を読む。船が葉っぱに見えるので、海に散ると秋の落葉みたいだ。
前回のあらすじ(正月二十日、一週間室津から進まず)
月夜に海原へ出ると、水面に反射した月が浮かぶのでまるで空を漕いでいるようだ。阿倍仲麻呂も言っていたが、月というのはどこにいても同じものだね。
原文↓
前回↓
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二十一日、五時〜七時の朝に船を出す。みんなそれぞれの船が出た。その様子が、春の海に秋の葉が散ったように見える。船の形が葉っぱのようなので。格別の願掛けのおかげであろうか、風も吹かず良い天気で進んでいく。船の出なかった間にお仕えにと付いてきた童がいる。その童が