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【連載】日本文化のはなし

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日本文化の色々を語る連載。とりあえず隔週月曜更新にします。現状、毎週月曜日は割とこういう系の話をしています。月曜日に知的になる人。
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2022年11月の記事一覧

【器を買った理由集】人はなぜ器を買うのか。必要だからだ。

人はなぜ器を買うのか。必要だからだ。これを読んでいる人で、器を使ったことの無い人はいるだろうか。恐らくいないだろう。それほど器は生活において必要とされている存在なのである。 では、私はなぜ必要量を超えて器を持っているのか。それは未だ謎に包まれている。器はなぜ此処にあるのか。どうして狭い6畳のワンルームに置いてある小さな棚の中に入った収納箱の中に集められたのか。 それを確かめるべく、「器を買った理由」を一度振り返ってみよう。 ◯ ここ数年、美術展などでも「ヘタウマ」が人

【器のはなし】丁寧さを感じない迷いのない筆致が良い。

前回の予告通り、東北の磁器の話をしましょうね。前回のは白磁だったが、今回は染付と印判を持ってきた。染付は手描きの絵付けで、印判は転写での絵付けのこと。 「印判の染付」と表現することもあり、この場合の「染付」は「藍色の下絵付け」くらいのニュアンス。印判単体の絵付けの場合と、印判と染付を両方使っている場合と様々あり、どっちを取れば良いんだ?となりそうだが、基本的に印判があれば印判と言う。 印判の種類はいくつかあるが、今回は「型紙刷り(紙刷)」しか出てこないので、今日はそれだけ

【観察記録2】スシローの器を見に行きました。【キラキラの高級店】

くら寿司の器を観察してから数週間後、スシローの器も見に行く。回転寿司に行って、何を食べたか全然覚えてないことってあるんだな。他のことに夢中だと寿司が目に入っていない。次の場所ではちゃんと味わって食べたい。 回転寿司の寿司用の器は漆器風が主流だが、スシローも例に漏れず漆器に寄っている。 筆でサッと描く感じ、それを刷毛目という。スシローの寿司用の皿は刷毛目で縁を描く。色違いで三種類、値段ごとに皿が違う。見込みは丸紋。 値段ごとに皿が変わるのだが、黄色と赤の間に明確な境界線が

【器のはなし】最近買った明治期小皿の自慢をする。そのあと傷を見せる。

先日、めちゃくちゃ可愛い小皿を手に入れた。ということで、今日はそれの自慢大会です。 白磁陽刻梅図角小皿。これ系は瀬戸焼の型物が多いらしい。型物は、名前そのまま型を使って量産されたもののこと。調べたら、伊万里焼のもあるらしい。伊万里の方が薄手とのこと。結構見かけるから、今度ちゃんと見比べてみよう。 白磁陽刻梅図角小皿:白磁→真っ白の/陽刻→浮き彫りのような模様がつけられている。彫っているわけではなく型で凸凹を付けている。/梅図→中央の模様が梅/角小皿→四角い小皿 ところで