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【連載】日本文化のはなし

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日本文化の色々を語る連載。とりあえず隔週月曜更新にします。現状、毎週月曜日は割とこういう系の話をしています。月曜日に知的になる人。
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2022年10月の記事一覧

【観察記録】くら寿司の器を見に行きました。【実家のような安心感】

ずっと気になっていた。くら寿司に蛸唐草の柄の小皿があるってこと。 初めて見たのは広告だったと思う。普段外食をしないのに加えて、他の人との外食で回転寿司を選ばないから、実物を見たわけではなかった。 じゃあ実物を見に行こうじゃないかと。ついでに他の皿も見ようじゃないかと。せっかく行くなら全皿コンプリートを。(くら寿司自体、人生で行ったことがほとんど無いからコンプリートしてなかったらごめん。全皿コンプリート挑戦、初心者なので大目に見てね。) ということで、早速蛸唐草の皿を取る

【器のはなし】照明にした蓋付茶碗をちょっとだけ語る

前回の宣言通り、蓋付茶碗の話をする。例の「蓋付茶碗を照明にしたらかわいすぎる事が証明された」記事で使用したものです。 茶碗の話に入る前に、器の名前についてちょっとだけ。「染付松竹梅図小皿」とか「織部五弁小鉢」とか、そういうアレ。 基本的に「絵付などの技法もしくは釉薬の名前」「描かれている図柄や構図」「器の形」の順番に並べて名前をつけている。例えば、前回のものは「染付市川海老蔵図5寸皿」と名前をつけることが出来る。染付=絵付の技法、手描きのこと。市川海老蔵図=前回解説した通

【器のはなし】瀬戸だけずるい。他の六古窯が嫉妬するぞ。

よし、この連載も今回から新ジャンルだ。歌舞伎から器になるのであれば、今回はこの器をやらねばならない。 海老。 海老の横に、三升文。真面目に連載を読んでいる人の中で、ちゃんと細かなところまで覚えている人はすぐに分かっただろう。そうではない人も、なんとなく雰囲気で分かっただろう。海老に三升。これは市川海老蔵を意味する組み合わせなのである。以前書いたように、三升というのは市川團十郎家の定紋である。 この組み合わせでの「市川海老蔵図」の器は意外と数があって、目にする機会も多い。