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フランス料理店シェフが厳選した『うまいチーズ』の種類 おススメ5選を紹介

料理人視点の旨さでチーズを判断しています。かなり偏っていますが、数々のチーズを食べてきた中で厳選しましたので、チーズ選びの手助けになればと思います。

完全な主観ですが、旨い食べ物を追い続けた結果、1週回ってチーズと果物とワインにたどり着く境地のようなものを感じています。ある程度行き着いた料理人は皆そこに落ち着きます。それを踏まえた上でチーズレパートリーを見て頂けると、多少感じ方が変わるかもしれません

1:ソシエテロックフォール

ロックフォールは古代ローマ時代から作られている、フランス最古のチーズの一つです。世界三大ブルーチーズの1つで、唯一羊乳から作られています。自然の洞窟で熟成され、強い風味を持ちます。

塩気が強めで、青かびなだけあって香りも強く、分かり易く旨いのがこのチーズです。風味は分かり易いものの、濁った匂いではなく、さわやかな青かびの風味で上品に感じられます。

あまり慣れていない人が食べるのはオススメしませんが、個人的にはこのチーズが1位です。ただチーズの主張が強いので、ワインや果物と食べたら、大喧嘩するチーズです。

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2:プチ・デリス・デ・クレミエ

癖が少なく、非常にクリーミーな触感です。後から押し寄せるミルク感の味わいとチーズの旨味が癖になります。少し白カビの辛味を感じます。

青かびのチーズはワインの風味を消す程の風味を持ちますが、こちらのチーズはどちらも生かす殺さずのバランス感で、フルーツなどにも相性が良い印象を受けます。

何度か加工してイチジクの料理に使っていたこともあるので、凡庸性が非常に高く、熟成度合いによって味わいが変わっていく様子が感じられるので、そのあたりも楽しみ方の1つですね。

ミルクにブルゴーニュ産のクリームが加えられており、乳脂肪分が72%のとってもなめらかな舌触りのトリプルクリームチーズです

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3:バラカ

一般的なチーズは脂肪分が50%前後ですが、バラカは牛乳に生クリームを加えて製造するダブルクリームタイプのチーズのため、脂肪分は70%と高めです。

こちらもプチデリスと似たようなチーズです。こちらは料理で長い期間使っていた記憶があります。こってりとクリーミーでまろやかな味。白カビチーズらしいミルキーな味わいが魅力です。

名前のバラカとは「馬蹄型」の意味。この馬蹄型は縁起が良いといわれており、フランスでは幸運のシンボルとされています。この馬蹄型のチーズ『バラカ』も「幸運を呼ぶチーズ」として贈り物に使われることが多いようです

料理に合うニュアンスのチーズを選んで、ベシャメルで伸ばしたり、生クリームで伸ばしたりして、主張を弱くして料理に昇華します。このバラカは、豆腐の水分を極限まで抜ききって、オリーブオイルを吸わせたものと混ぜて主張を弱くして使っておりました

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4:カマンベール・ド・ノルマンディー

カマンベールチーズの「元祖」、「本家本元」などとされる。もともとカマンベールチーズはこの地方のカマンベールという村で作られたものであったが、アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(AOC)取得が1983年と遅かったため、すでに世界各地でカマンベールの名前がこの種のチーズの商品名として使用されてしまっていた。外装に木箱を使うことも規定のひとつ。

日本のカマンベールチーズを想像して食べてはいけません。日本のカマンベールチーズはこの世のものとは思えない粗悪品です。

味は白カビチーズの中でも、全てにおいてバランスが取れています。1位にしてもいいくらいのバランス感で、香り、硬さ、風味、触感、などすべてがちょうど良いです。熟成加減によって味わいわ食感が変わるのでそちらも楽しみ方の一つです。

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5:コンテ18か月熟成~24か月熟成


 ハードタイプで、表皮は、若いうちは黄色。

風味もコクも濃厚だが、決してしつこくない。熟成するほどにほっくりした甘みが増し、官能的な味わいになる。シャリっとした食感のチーズだが、決してパサついているわけではない。

パルミジャーノなども美味しいが、コンテと比べるとやはりしっとり感や旨味の種類が上品な味わい。パルミジャーノは大衆向けの印象を受ける。

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チーズを使ったアミューズ(お口取り)

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チーズはよくコース料理に使いますが、やはりチーズは料理を殺すものが殆どなので、加工する必要がある。

こちらで使用しているチーズは、先ほど紹介したカマンベールドノルマンディです。チーズの美味しさを手軽に感じで欲しいと思い、必ずコース料理に忍ばせています。若い女性などは、白カビの香りを頑張って我慢して食べている事でしょう。。

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こちらはカマンベールドノルマンディに、ナチュラルチーズを混ぜて、さらに生クリームで伸ばして調整しています。余韻が続きすぎたり、締まりが悪い後味になると、次の料理に大きく影響するので、レモン汁でかなり強めの酸味をつけています。

そうする事で、伸ばしたチーズが固まって固形化される側面も備えています。

上に載せているのは、オレンジ皮のコンフィチュールに、ローズマリー(茹でて香りを多少抑えて、みじん切りにしたもの)を和えたものです。生ハムと柑橘のコンフィチュールは非常に相性がよく、チーズともローズマリーとも相性が良いです。間に挟んだラディッシュのスライスが、塩味を和らげつつも、辛みのニュアンスで繋ぎの役割も果たしています。

どんなコンフィチュールでも真似できるので、是非お時間ある人はおつまみに作ってみてはいかがでしょうか?


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