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ハンズオンとセミナーをするのに必要な資質能力。そしてメンバーの個性について。

継続購入をしてもらうプロダクトやサービスを提供している場合、ただ納品して終わりでなく、そこから利活用してもらうための様々な施策を行います。その中の1つにハンズオンやセミナーを開催し、ノウハウや知見を提供することでユーザーのサポートをすることも多いかと思います。
個人的な考えですが、ハンズオンやセミナーを実施する際に、必要な資質能力について感じていることを4つ紹介します。


4つの資質能力

1、説明力

参加者にとって必要な情報をわかりやすく伝える力のことです。
ハンズオンやセミナーを進めていく上で、説得力と明瞭さが欠けることでせっかくの良い内容の意図がうまく伝わっていなかったり、参加者を惹きつけられずに終わることがあります。

経験上、以下の3つを工夫すると一定のレベルまで持っていけます。
・抽象的なことを考えて欲しいのか?具体的なことを考えて欲しいのか?というアクティビティの内容を焦点化すること
・なぜそのアクティビティをして欲しいのか意図や背景を説明すること
・前のワークと次のワークのつながりがどのように結びついているのかを補足すること

2、状況を把握する力

場の情報を収集する力です。
「今、この場はうまく進んでいるのだろうか?」というのを参加者の様子や行動プロセスを見ながら判断していくことで、状況把握ができるようになります。
ここでも、やはり工夫すべきは「なぜこのような雰囲気になっているのか?場になっているのか?」というのを観察することではないかと思います。
その結果、次の3番目の資質能力にもつながってきます。

3、アドリブ力

計画していたプログラムにとらわれずに、その場の状況に応じて柔軟に振る舞う力のことを指します。型はあるが、型にとらわれずに相手の状況に合わせながら進めていく力です。ハンズオンやセミナーも当日にならないとわからないことがあります。参加者のレベルが想定より違ったり、準備していないことなど。
「2」で紹介した、場の状況を把握しながら、別のオプションや計画していたプログラムを微調整することでハンズオンが良い方向に進んでいきます。

4、情報活用力

複数の情報を組み合わせて新しい意味や考えを示す力のことです。ハンズオンやセミナーでは参加者から様々な質問や意見が出てきます。あらかじめ用意していた回答でその場を凌ぐこともできますが、その場に出てきたものを組み合わせることで、これまでのワークにつながりが出てきたり、統合してより本質的な問いかけや意味を持たせることもできます。

以上、4つの資質能力について紹介しましたが全部を完璧にできる人はかなり限られています。そのため、自分はチームで連携しながら実施することを大事にしています。しかしそこで出る問いが、全員が同じレベルになるべきか?否か?です。

問い:チームでやる場合、4つの資質能力はメンバー全員が同じレベルの方がいいのだろうか?

では、ハンズオンやセミナーをチームでやる時、4つの資質能力を全員均一にしなければならないのかというと、個人的には懐疑的です。
参加者に対して基本の内容を教える場合には、もちろん効果があり、かつ同レベルを担保して始めることができるので安心ではあります。
しかし、このやり方だけに頼ると、新しいハンズオンやセミナーのアイデアが出にくくなったり、人それぞれの良さが生かせなかったりすることがあります。新しいことを始めるときはいいけれど、ずっと同じことを続けると、新たな企画やプログラムづくりが止まってしまうかもしれません。

メンバー全員が同じレベルの資質能力がいいかというと、そうでもない?

それぞれの4つの資質能力を見極め、個性を生かすことの大切さ

それぞれの人が持っている特技や経験を生かすことは、チーム全体を良くすることにつながります。人によって得意なことや考え方が違うと、色々な問題に対してもいろいろな解決方法が見つかります。自分の得意なことを活かせると、もっとハンズオンやセミナーの新しいアイデアが出やすくなったりするのではないでしょうか?

場の雰囲気を察知して、瞬時に調整ができる力に長けている人
参加者の質問や意見を、これまでの知見と組み合わせることで新たな考えを見出し、それをわかりやすく説明する人

それぞれの個性を活かしてもらうにはどうしたら良いか?(私の場合)

ではそれぞれの個性を活かしてもらうにはどうしたら良いか?
私の場合は、それぞれのメンバーが持っている資質能力を以下のようなモデル図に落とし込みました。
横軸:「実験的な活用提案する」と「再現性ある活用提案する」
縦軸:「参加者に対して自ら様々な働きかけをすることで、進行していくタイプ」と「参加者の意見や考えに耳を傾け、それを受け止めながら進行していくタイプ」

モデル図に落とし込むことで、少し効果がありました。
例えば、新しく入ってきたメンバーは自分のやり方に自信がなかったが、それが個性だとわかり、いろんなチャレンジをしてみようとマインドチェンジしてくれたり。自分のハンズオンやセミナーで大事にしている部分とか、よく言うセリフを見直してさらに磨きをかけるようになってくれたりと。可視化するだけで少しずつ効果が出てきました。

それぞれ違って、みんなOK!というのを可視化することの大切さ。

ハンズオンやセミナーは、ある種の職人的な部分もあるため、チームで行う場合、ほっておくとブラックボックスになる可能性があります。
時間があれば事例の交流会などもしていいと思いますが、リソースがかぎらていて全員が集まって事例共有会などする時間がないこと多々あります。
その場合は、このようにモデル図にしてメンバーの芸風?みたいなものを可視化してあげるのも1つかもしれません。

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