株デイトレの鬼100則 石井勝利
固定観念を捨てろ
株式のトレードで、捨てなければならないのは、「固定観念」「下手な経験値」だ。
「あの頃はこうだった」
「この銘柄はついていない」
「この銘柄は得意だ」
というような先入観である。
確かに、経験値が高ければその銘柄や相場環境を読む上では、一種の癖がわかるので知らないよりはいいだろう。
しかし、世界が大きく変わる時には、妨げになる場合が多い。
正しいのは、目の前の相場である。
「相場は相場に聞け」だ。
株価はファクターを織り込む。
人間の精神状態、様々な経済事象、紛争、対立、相場、事件。
これらを全て背景にして、株価は形成される。
巣篭もり需要で急に動意を示した運輸は目が離せなくなった。
以前は人件費や燃料高騰で目も当てられない状況であったのが一変した。
あなたの固定観念を捨てる時だ。
上げに飛び乗らず、押し目を活用せよ
デイトレードで常に自覚しなければならないのは「急騰に乗る」個人投資家の癖だ。
百戦錬磨でない投資家は株価が上がると「これは上がるな」と強気になり、相乗りの勇気を持ちがちだ。
しかし、往々にして初動ではなく、結構高くなってからのことである。
それが一番危険だ。
なぜなら、そうした未熟な人が買うタイミングでの後に、その買値を上回る株価の買い手はいないからだ。
最後尾の買いなので、その人が利益確定をできることはない。
だからこそ、上げの情報には飛び乗らず、いかに素晴らしい材料、情報があっても、押し目待ち、調整からの復活のタイミングを待とう。
決算マタギでやられるな
魑魅魍魎の集まりである、株式市場。
特に仕手系の銘柄には用心して付き合わなければならない。
「決算をまたぐと、やられる」というのは、最近はネットの情報でも度々出てくるので、知っている人も多いだろう。
特に危ないのは「好決算」である。
それが前から予想できれば相場は、先食いしてくる。
決算で良い数値が出ても「材料出尽くし」となりやすい。
好決算の後に更なる好材料はあるのか?
ない。
だから株価は落ちる。
それならば、悪い決算が予想通りに出た方が「悪抜け」となりやすい。
安心して買えるので、逆に株価は上がりやすい。
怖いものが出てしまえば、その先の予想が良ければむしろチャンスになる。
この仕組み、株価の動きの癖だけは知ってトレードしたいものである。
市場に跋扈するプレーヤーの企みは知っておいた方がいい。
「敵を知り、己を知れば、百戦殆うからず」である。
暴騰の次に下落あり
株価が急騰している時にも、油断は禁物だ。
買われたものは売られる。
これが市場の常識。株価の波動の常である。
急騰、下落それなりの材料があっても賞味期限が短い。
材料を過信するとやられる。
市場は新しいものが好き。同じ材料で何日も買い続ける人はいないのである。
夜中でも早朝でも、情報に目を凝らしている人が勝つのが株の世界である。
8時59分の板で判断せよ
9時から一斉に株価が動き出す。
上か下かを予測するのは、朝の8時から始まる「寄り前の気配」である。
朝の8時にフタを開けた板は8時前に申し込まれた指値や成り行きの売買データだ。
ファンドや機関投資家、外国人投資家は、材料やチャート、こうした板の模様を見て行動を始める。
寄り前の売買のバランスを見ながら、高値を追うか、撤退するか慎重に決める。
さらに、大口や仕手筋は板に騙しの「見せ板」を出す。
この頻度は極めて高く、法に触れないのかと考えるほど、あからさまである。
だからデイトレをするからには、寄り前の板の変化を朝の9時直前まで見なけれなばならない。
「見せ板」は8時59分というギリギリで、突然注文が消されることが多い。
「ギャップアップ」と言われる「寄り付き高値」を掴む失敗の多くは、寄り前の板に騙された人である。
くれぐれも用心が必要だ。
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