【シャニマス】シャニマスには"変"なコンテンツであって欲しいという個人的なエゴ【LIVE FUN】【シャニアニ】
1.いち個人としてシャニマスに求めていること
THE IDOLM@STER SHINY COLORS LIVE FUN!! -Beyond the Blue sky- Day1 & Day2
現地で参加された方、配信で観られた方、お疲れさまでした。
私はシャニマスというコンテンツ自体が好きなんですが、その中でもシャニマスが描く独自の世界観というものが好きで、それを摂取したくてこれまでシャニマスを続けてきている、というのがあります。
記事タイトルにもなっている通り、「シャニマスには"変"な、何か様子がおかしいコンテンツであって欲しい」というのが、いちユーザーのエゴのようなものとしてあります。
しかし、2023年度のenza版シャニマス、特に下半期のイベントコミュにおいてはその"変"さは失われ、個人的には『Wintermute,dawn』以降のものについてはあまり自分にはハマらないというものが多かったです。
ただ、これはイベントコミュにおいての話で、pアイドルコミュについては私にめちゃくちゃハマったものが多く、だぶるはW.I.N.G.コミュや【ふたり色 クレオール】、【三文ノワール】、【剥がされて、虚ろ】、【Kn☆cking,Kn☆cking.】等各アイドルの個性やテーマ性を重視したシナリオは、私がシャニマスにハマった時のことを思い出しつつも、新しいシナリオを読めること自体がとても嬉しかったです。
しかし、私自身はイベントコミュの実装日にシャニマスのシナリオを読むということを続けてきた人間ですので、やっぱりそっちに"変さ"を入れ込んで欲しいのですが、シャニマスって"変さ"を押しすぎた結果、炎上というか文句を言われてきた過去があるので、最近はそういった共通シナリオだったりの大通りの部分には"変さ"をあまり入れ込まないようにしたのかなと、今は思ったり思わなかったりしてます。
"変"で炎上した一番大きな出来事と言えば、まぁこれですよね。
私自身、基本的には配信での参加でライブを観ている人間なのですが、このライブについてはday1もday2も大好きで、モニターの前で爆笑しながらライブを観ることができたというシャニマスライブの中でも初めての経験ができ、今回のLIVE FUNが来るまではぶっちぎりで大好きなライブでした。
(LIVE FUNも全編爆笑しながら観ていたので同率1位ということにさせてください)
ただ、現地で参加された方の中では「もしかしてサ終するんじゃないか」とか「こんな不安な気持ちでday1を終わらされると思ってなかった」とか「day1しか握れなかった人の気持ちを考えてほしい」というような意見も見られ、万人向けのライブじゃなかったのは事実だと思います。
でも、もしも私がday1の現地チケットしか握れなかったとしても、やっぱり私は現地で爆笑し、day2を配信で観て爆笑していたと思います。
サ終についての不安は、実はその数日前にenza版シャニマスにて育成要素の大規模な改修があり、これからサ終するコンテンツの動きには見えなかったというのがあり、その心配をする必要は全くないと思っていました。
でも、ライブの最後に「サ終決定!」と告知されるのもそれはそれで"変"なので、もしそっちだったとしても爆笑していたかもしれません。
私はもしシャニマスとお別れする日が来るとしても、笑顔で、楽しい記憶としてお別れしたいんですよね。
その次に"変"なライブと言えば、個人的にはまぁこれだと思います。
シャニマス初のソロパフォーマンスライブということで、そっち方面の期待をしていた方が多数だと思いますし、私もその予想をしていたんですが、蓋を開けてみたら終始ずっと独特の世界観の演劇をノンストップで見せられ、存在しないカップリングが生まれ、好き勝手に暴れ散らかして何が何だかわからないまま終わったライブになりました。
私は遊戯王アニメとかのシュールな笑いで育った世代でもあるので、制作陣がやりたい放題やり散らかして提供されているものってのが好きなんですよね。
それが結果として自分にとって面白いものであれば+αで嬉しくて、ただ基本的には前者だけでも満足することが多いです。
2.変なアニメ、『シャニアニ1期』(シャニアニ2期のネタバレも含みます)
といった感じで、enzaのイベントシナリオが自分にとってハマらないものになりつつあった時期に、シャニアニ1期の先行上映が始まりました。
1章時点での自分の評価は
「アニメとして、導入の1話は丁寧に描きすぎて退屈な部分がなくもなかったけど、ユニット当番回の2~4話はおおむね良かったし、期待しても良いんじゃないか?なんかEDのオフボ使い回しとか気になる部分もあったけど...…」
といったような感じでした。ただこの評価って実は間違いで、これは2章の5~8話を観終わった時点で気づいたことなんですが、シャニアニ1期は「1話と6~12話が異質」なのではなく、「2~5話がシャニアニ基準からすると異質」なアニメだったためです。
先行上映2章の初見時に、ここでまた私は爆笑するのを必死に抑えながら劇場で観るという体験をしました。このときに、「あ、シャニアニってもうこの路線で行くんだな」と、「初見の人にお勧めしてコンテンツの導入となるような万人にお勧めできるアニメにはならないだろう」という半分諦めと半分覚悟を決めたというのが6話です。
シャニアニの6話が何だったかというと、W.I.N.G.出場のためにレッスンやお仕事を頑張る各アイドル達と、そのW.I.N.G.後のアイドル達の活躍のためにプロデューサーたち裏方陣が準備を整えていくという話で、これ自体はenza版シャニマスでもちょくちょく描写されているものと同じ精神性の内容だと思います。
裏方組の描写は上記の通りでしたが、アイドル達側の描写はどうだったかというと、プロデューサーからの提案で自分たちで振り返る用に動画を残してほしいとお願いされ、スマホであったり、TV取材のカメラだったりを通して私たち視聴者に向けて放映しているという構図になっています。
これがなにかというと、シャニマスにはシナリオブックという鈍器があるんですが、このシナリオライター陣インタビューで書かれていた『カメラ理論』だと思うんですよね。
これは概念的なカメラとシャニアニのスマホや撮影カメラを絡めた言葉遊びというわけではなく、「アニメというシャニマスを表現できる1つの媒体において、ユーザーにシャニマスの世界を届ける手法(カメラ)として6話の形式を選んだのではないか」ということを、6話初見時にこれが接続してしまい、そのまま爆笑しそうになったという経緯です。
(実際に爆笑すると他の方の迷惑になるので頑張って抑えました)
だってこういう形式のシャニマス表現ってenzaではできないですし。
「それってアニメとして面白くなってなくね?」
はい、私もそう思います。
「好意的に解釈しすぎ。単に制作陣のセンスがないだけだよ」
はい、私もそう思います。
「アニメって初見勢への希求が目的なのに、そんなの商業的にプラスにならないことやるわけないじゃん」
はい、私もそう思います。
ただ、シャニマスって5thや我儘なまま、今回のLIVE FUNでもそうだったように「これがやりたい!」を突き通しかねないコンテンツだということは覚えておいてください。
7話も変です。一番アニメとして見どころになるはずのW.I.N.G.をすっとばしてその後のことを描写しています。シャニマスにとっては大事なのは山の一番高い所ではなく、アイドルがその後もどのようにして生きていくのかという部分なんだろうか...…という風に私は感じていて、そこにスポットを当てているのだと思いますが、その代償にアニメとしての一番のノリ所が消失してしまっています。
また、8,9話のツバサグラビティ回も変ですよね。8話ではツバサグラビティのボーカル部分にフィーチャーして各アイドルが練習を行うというものでした。ほぼ"全編"にわたってアイドル達の反復練習の様子が描かれました。変でしょ。
確かに反復練習を繰り返すというのは曲を覚える上での定石ですが、アニメという媒体でそんな映えないことをするより他の要素に尺を割くべきで、さらには本収録の際にはツバグラ収録の様子をダイジェストではなくフルで流しました。それまで何度も何度もツバグラの練習描写の様子を繰り返していたのに。スマブラDXならワンパターン戦法で-2000点されているはずです。
9話もそうです。ラジオ収録や同じツバグラのダンス練習と言っても「各ユニットごとにそれぞれ向いているやり方があるよね」、という私たち視聴者が知らないあるあるを軸に話が展開されていました。
10話、変!
StWの練習と真乃がセンターとして頑張る話ですが、そのきっかけになったプールのシーンで、プロデューサーや他のアイドルと偶然遭遇し、そこでのやりとりを経てセンターとしての心構えを持つようになる...…ということはなくStWの歌詞を引用する形で勝手に自己解決しています。
変!
しかもそれが説明されてないから視聴者には起承転結の"転"のタイミングが分からないし、本当にそうなのかすらわからない!
(ただこちらは後々シャニソンで補完がされました)
ただ11話と12話は比較的王道で、ライブシーンの盛り上がりもさながら、最悪ユニット当番回とここだけなら初心者にお勧めできるんじゃないか...…?と思った矢先、
12話の冒頭、「直前までパフォーマンスをしていたアンティーカが衣装を着替えた後、ステージの準備に間に合うかどうか分からず、他の3ユニットがドキドキハラハラのピンチ展開を迎えている」という知らないあるあるをまた披露されました。いや知らないよ。
あと下記のシーン
真乃と甘奈の肌着差分って多分ここでしか描写されてませんよね?
しかも女の子たちの着替えシーンというセンシティブなシーンの挟み込みを、やる必要が全く無いのになんかやっています。
もしかすると肌着差分のモデルを作ったけど使う場面が無くて、せっかくなのでこのシーンを作ることにしたってのもあるかもですが、じゃあそんなシーンを上記の告知ポストで使ってるのはなんなんだよ。
あと、ツバグラとStWのライブシーンも変!新規勢に12話をオススメできないのってこのせい。
この2つの曲のライブシーンについては、フル尺を流しているんですが、そういう場合って間延びしないためにライブを観ている他キャラのシーンを差し込んだり、ボイス付きの過去回想を挟んだりってするのがあるじゃないですか?
シャニアニ1期にはそういうのはありませんし、挟まれてる回想シーンも台詞がなく起伏が生まれていなかったり、キス顔連打の一見意図がよく分からないものなんですよ。何?
『単に制作陣のセンスが無いからつまらないものになってる』と一蹴するのは簡単なんですが、これって実はシャニアニ2期では今の所改善されていて、2期1話のストレイのMVのシーンでは、各ユニットが(私の記憶にある限りでは)台詞付きで反応したり、世間での注目度が分かるようになっていたり、アニメ的な方向性に表現が切り替わっていたと思います。
『2期は1期の批判を元にちゃんとフィードバックして作ってくれたんだな...…』
と思いたいところなんですが、ここでシャニアニの放映時期を考えてみてみます。
シャニアニ1期先行上映:2023/10~2024/1
シャニアニ1期本放送:2024/4~7
シャニアニ2期先行上映:2024/7~
ここに1期の評判を制作陣が拾って、2期にフィードバックできる時間ってありますかね?
少なくとも脚本部分から作り直しとなると半年で修正できるようなものじゃないと思うんですけど...…
私はたまにシャニアニをラーメン発見伝のラーメンハゲ(芹沢サン)に例えることがあるんですが、まさにこの部分を言っていて
シャニマスとしてやりたいことをやりたい放題やって刺さる人だけに刺さったらいいと思って制作したものがシャニアニ1期:鮎の煮干しラーメン~淡口~
シャニマスをアニメ的に表現し、初心者への入り口や大多数の人(私含む)がアニメとして求めているものを目指したものがシャニアニ2期:鮎の煮干しラーメン~濃口~
とこじつけることができているためです。
なので私は、「シャニアニ制作陣も1期の出来については自覚的であり、その上で2期を製作しているんじゃないか」という考え寄りにのスタンスでいます。
まぁ、2期の5~12話の全てを観るまでは言い切るのは早計なんですが...…
(ただ、モブモデルの出来やダイナミック描写などのクオリティ面の低さというのも確かに存在していて、そこについては擁護できないと思います)
私だって単にシャニアニがつまらないだけだったら、駄作の印を押してもう存在をなかったことにしてenzaに帰っていたんですが、でもこいつって私の好きなシャニマスの"変さ"っていう愛嬌があるんですよ。
みんなが『シャニアニはつまらないもの』『駄作』『こんなんじゃ二期も期待できない』って評価を押している現状ですが、なんかこいつのこと諦めきれないんですよ。
あと、今回のLIVE FUN、ライブ冒頭のオーバーチュアだったり、最後にWDCを披露した後、Day1ではWDCのオフボ、Day2ではプリズムフレアのオフボを流しての黒バック背景EDというシャニアニの話の構成をある種リスペクトしているものになっています。
シャニソンもシャニアニも、enzaというかシャニマスの原液至上主義の節があると思ってるんですが、おそらく現在ではもうシャニアニもシャニマスの歴史の一部として取り込まれ、今回ライブ構成におけるリスペクトの対象になったってことなんだと思います。
やっぱこのコンテンツ思想が強いよ。
3.今後のシャニマスに求めること
やっぱり私はシャニマスには"変"であって欲しいと思っていて、最近だと比較的王道ではなく、2023下半期~2024/3基準からすると"変"なシナリオであった『絆光記』がイベントコミュとして提供され、これ自体は私にとってこれまでのイベントコミュ中でも1,2位を争うほど大好きなものになりました。
その証拠ってわけでもないんですが、そのイベントコミュを読んだ後、その時の気持ちと感想を何とか残しておきたいと思い、感想語り配信をYoutubeライブにて残しました。
(本noteが伸びてきたので流石に直リンクは消しました。見たい人は頑張って探してください)
そして今回のLIVE FUN、まさに"変"だった頃のシャニマスが今現在に帰ってきてくれてかなり嬉しいんですよね。
ただ、今のシャニマスってenzaだけではなくシャニソンも展開しているかつ、先述したように全部が全部"変"な内容のものであったとすると、それにノリ切れない新規の方々の流入を妨げたり、カロリーが高すぎてサクッと消化するすることができなくて次第に離れていって...…ってこともあると思うので、今後の更新については特に共通シナリオであるイベントコミュは"変"でないものを中心に回り、たまに"変"になるんじゃないかって予想しています。
でもやっぱり私はゲームやシナリオだけでなく、他媒体でも、"変"な施策をどんどんやって欲しくて、今回のLIVE FUNを企画したシャニマスならそういう"変"なシャニマスを継続できる力はあると思っています
(実際にやってくれるかどうかは別の話ですが)。
3.1 これまでの変な施策例その1
この後すぐDARSコラボが来て、本当に何だったのか分からない施策。
3.2 これまでの変な施策例その2
3.3 これまでの変な施策例その3
3.4 これまでの変な施策例その4
3.5 今やってる変な施策
4.最後に
ここまで書いてきたんですが、私ってシャニマスに出会ってから本当に色々な良い影響を受けることができていて(悪い影響かもしれません)、人生の楽しみが1つ増えたような感覚で過ごすことができています。
なので、シャニマスには私を楽しませてくれるなり、感動させてくれるなり、怒らせるなり、傷つけるなりで、私の人生に何かしらを刻み付けてほしいというのがあるんですね。
最近はマッチライブの余りにもテストプレイがされていない現状について怒ったりもしました。
また、今年4/1の「大崎甜花を起こせ」とは違って絶対にLvカンストのテストプレイがされていないであろう「~100万本のバラをあなたに~」についても怒りました。社長のLv200カンストがギリギリできるかできないかくらいだったんじゃないかこのイベント。
一方で、『薄桃色にこんがらがって』だったり、5thだったり、『many screens』のサポコミュ「ボクらのマクラ」だったり、今もなお自分の中で大切な存在になっているコミュや思い出がたくさんあります。
今回のLIVE FUNもそうでした。day1にて常に無量空処状態のツッコミ不在でライブが進んでいき、最後には知らんモブカップルが誕生したことについては、私がシャニマスにハマっている限り生涯忘れることはないんじゃないでしょうか?
上記は過去のインタビューで語られたものですが、この方向性は私がシャニマスに求めているものと一致しているので、これからの展開についても非常に楽しみにしています。
ただ、橋元さんは新会社を設立したことから、すでにシャニマスの制作チームの第一線からは離れているのではないか?と憶測が立っていますが、今回のLIVE FUNを見る限り、少なくともこの精神自体は今の制作チームにも引き継がれているようで、個人的にはかなり嬉しいです。
(ただ、橋元さんの所属する株式会社Hellartsはその後もシャニマス関連のお仕事を請け負っているので、体制が変化しただけで現在もシャニマスに関わってくれているかもしれませんが、実際の所は不明です)
という訳で、私の好きな"変"なシャニマスがLIVE FUNで本格的に帰ってきてくれて嬉しかったという話でした。
それでは。