【毎日短編台本-3月31日】 味噌汁、落ち着く、夜 (1人劇)

基本情報

タイトル-味噌汁、落ち着く、夜
作-臼井智希
ジャンル-現代劇
目安時間-3〜5分
登場人物　私

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本編

舞台の上にはテーブルと私、テーブルの上にお椀、お椀の中に味噌汁が波波入っている。
私は携帯で電話をしている。

私「ね、なんかよくわかんないんだけどさ。うん。なんか急にネガティヴになる時ってあるでしょ？身体疲れてたりとかして。」

私、味噌汁をすする。

私「あ、ごめん。今味噌汁飲んでて。で、今が急に来てる、自分いらない時なの。あ、そう、具なし。液体味噌といただけのお湯。え、でも最近の味噌すごいよ。最初から出汁とか全部入ってる。」

私、味噌汁をすする。

私「え、で。消えたい時ってどうしたら良いと思う？」

私、味噌汁をすする。

私「味噌汁は別の人のおすすめ。たしかに、落ち着きはする。うん」

私、味噌汁をすする。

私「そっか、うん。なるほど？え、そうだったの？大変だね、お疲れ様。うん。え、怖。うん。」

私、味噌汁をすする。

私「あ、なくなった。うん。あ、ありがとね。ごめん、急に変な電話、それも食べながらして。うん、ありがと。じゃあね。」

私、電話を切る。味噌汁のほんのわずかな残りをすする。味噌汁がなくなる。暗転。窓ガラスが開く音。素足の足音。落下音。衝突音。
終幕。

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