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あなたを想って

先日、ゴルフに行ってきた。
このコースは、東京から少し遠いけれど、美しく整備されていて、とても気に入っている。

このゴルフ場に行く予定を、レッスンコーチに伝えたところ、あるエピソードを話してくれた。

生徒さんとしては、今年で一旦、卒業なさったけれど…と、スクール最高齢90歳の生徒さんのお話だった。

90歳の女性ゴルファー!凄いですね、素晴らしいですねって、驚いてしまった。

このスクールのラウンドレッスンと気づけば、キャディさんが、
「今日、〇〇さんは、参加なさってないのですか?」と、声があがるほど、何度もこのコースでのラウンドレッスンに参加したそうだ。

運悪くバンカーに入った時も、バンカーは足元が悪いので、無理にバンカーで打たなくて良いですよとコーチが声がけしても、
「いいえ、打ちます。」「えぃ!」って、ちゃんとバンカーからも出したとか。

ボールは出しても、ご自身がバンカーから上手く出て来れなくなる時もあり、キャディさんやコーチが身体を支えて、時には脇を抱えて、フェアウェイに引き上げるまでが必要だった…という、愛らしい、完璧なオチまでついている。

ご家族にしたら、高齢でラウンドするのは心配だわ…とか、送り出す側の心配もあっただろうし、楽しく安全にラウンドするためには、同組の仲間やコーチ、キャディさんの配慮も必要だったでしょうけれど…なんて可愛らしい人なんだ…と、会っていないのに、すっかりファンになった。


ラウンドレッスン当日、私はその方が愛したこのコースに、思いも新たに挑戦。
ところがスコアは大炎上。
試練の1日になった。
そうだ、このコースは、バンカーが多い…。
もう、早く家に帰りたい…と、投げ出したくなりながら、やっと最終ホール。

立ち止まって、いま来たところを振り返ると、陽が落ちたコースは、朝よりも一段と秋が深まっているように感じた。

夕暮れのゴルフ場、なんて美しいんだ。
朝の輝くような光の中で見る様子とはまた違った味わいを感じる。

90歳ゴルファーさんを想ってしまう。
このコースで、ゴルフを楽しんでいたんだな…って、彼女を想ってほっこりした。

会ったこともないのに、あちらこちらに、楽しそうな気配すら感じたりして。
不思議。
私自身が、楽しい一日だったからかな。

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