雨音③

「あたしのところに来ても、どうにもならない!!あっち行って!!」
女性の亡霊はどこかに消えたようだった。
目が覚めてしまった。
ーーさっきの、あたしじゃないよ。--
「…またあんたなの……」
ーーさっきの女は、あたしじゃなくて別の女。あんたに助けてほしかったみたいだけど、断られて、今度は誰のとこ行ったんだろ……ーー
ーーこういうのって初めてじゃないでしょ?アハハ。--
「あんたもさっさとわたしの前から消えてよ!!!」
ぎくっとした。本当にそうだったから。怒って叫んで隠すしかなかった。

 こどもは、歩くのがすこし遅めだったけれど、順調に育っていった。
正直、早く幼稚園に行ってほしいなと1日1回は思っていた。

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