オートガイネフィリア恐怖の体験談~とある正月の一夜~
今年の正月を迎え、モロモロと綿アメみたいな雪が降りしきる光景を見ていると、私の脳裏に過去の苦い思い出がフラッシュバックしてきた。
それは今から10数年前の出来事である。(正確な年は覚えていない)
1月1日元旦、その日私の母は毎年行われるいとこ会に参加しに行って家には居なかった。
私はと言うと、家に一人残され正にホームアローン状態!
年齢もまた20代という事もあり若かりし私はテンション爆上げでヒャッハー言いながら家の中で騒いでいた記憶がある。
とは言うが騒いでいたと言っても当時流行っていた〝モンスターハンター〟を朝から晩までオラオラとバカみたいに熱中してやっていたくらい。
だが、少し違うのは服装!
親が居ないし、私が家に一人だけ。
当時マイブームだった学生服(女性物)を着飾って過ごしていた気がする。
そんな格好で料理してみたり、ゲームしてみたり女性気分を味わっていた。
そしてその後、事件が起きていく。
朝から女装をして体に服装を馴染ませる所から全ては始まる。
着て直ぐだと〝これじゃない〟感におそわれてしまうのだ、自分の妄想の中に入らなきゃいけない、だから時間をかけて服装と精神を一致させるのだ!
しかしだ、今思えばそこまで服装だ精神だと言っているが、私は男!
どこからどう見てもオ・ト・コ❤
凝りに凝りまくって化粧をしてるわけでもなければ髭をしっかり処理してるわけでもない。
だからたとえ女装したところでそこに居るのは単なるキタネーオッサン!
変態オヤジなのだ!
誰かに見られた日には悲鳴を上げられ
「このおじさん変なんです。」
って言われてもおかしくない。
ならば私は開き直って言ってやろう。
「そうです私が変態オヤジですっ!!」
(言えるかぁ~!!)
しかし私の好奇心は冬の夜に向けられる。
今日のように雪がモロモロと降りしきる外の光景、冷静に考えたら普通は外出なんて出来るような状態じゃない天候なのだ。
風がビュービュー、それに乗り弾丸のように降る細かい雪。
外に出ただけで風と雪の二重タッグで息もできないくらいの状況なのだ。
終いには結構な量の雪が積もっていて車を出すにも大変、だが私の好奇心は止まらない。
こんな猛吹雪の中立ち尽くす女学生の気持ちってどんなものなんだろうか?
いやいや!
どんな変態だよ、なんでそんな細かい女学生の心理描写を体験したいんだ私は!
今思うと結構なドM思考のような気がする。
女装行為のテンションが上がってくると、家の中では収まりきれなくなって女装姿で外出する事があった。
でも人には見られたくないから夜中の山の中、人気がありそうで無い絶対見つからない場所を見つけてそこで外の空気を味わっていた。
今思い出すと気持ちわりーな!
遊園地にあるバイキングに乗ったときのあのフワッてした感覚くらい気持ち悪い😓
話しは少し脱線したが、つまりはそんな感じでその日の衝動が抑えきれなくなりおもむろに車に乗り夜中の外に駆けだした。
盗んだバイクで走り出すように!
だが、悲劇は直ぐに私に降りかかってくる。
いつものその場所に向かう私、外は猛吹雪、かつ道路にこんもりと雪が積もっている。
時期は元旦、そして夜中!
田舎だから人っ子一人いない(当たり前)
いつもの場所、そこに行くための道路にさしかかった瞬間、目の前に除雪車が二台ほど現れた。
私はそれにビクッとしながらも。
「私、なにも悪いことしませんよ~」
みたいなノリで前を通過していった。
だが、私の前には道路を塞ぐ高い壁が!
「なにこれ、ベルリンの壁ですか?」
くらいの高い雪山がそこに鎮座していた。
「うわぁ~、通れねぇ~💧」
私は仕方なしにUターンをして別な道から家に戻ろうと少し細かい道に入っていった。
だがそれが恐怖の始まりだった。
しばらく走って見えてきた曲がり角、そこを曲がろうと道に入った瞬間。
ガンッ!!
車が雪山にぶつかった。
「おいマジか!ここも塞がってる!」
しょうがないから引き返そうとした。
だが車が動かなかった。
雪にハマってスリップしてる。
少し遠くを見ると、さっきの除雪車がまだ作業してる。
そこに行ってヘルプミーすれば簡単に抜け出すことができる。
・・・
できるわけねーだろーが!!
女装かつ学生服、見つかった瞬間通報されそうだわ!
だから自力でなんとか抜けだそうと必死だった。
おもいっきり前にアクセルを踏んで勢いでバックしてみたり、バックに全力をかけてアクセルを踏んだり。
しかし、車はその場から動いてくれない。
遠目にいた除雪車のオッチャン達もなんか怪しい目でみてる感じがした。
「ヤバいな、うかうかしてたら近づいてくる気がする。」
映画ジョーズでサメが近づいてくるくらいハラハラしてた。
むしろ脳内であの、ザーザン、ザーザン、ザーザンザーザンザザザザザザ🎵
みたいに音楽流れてた。
恐くなってきて車の外に出た。
素手で必死に運転席側のタイヤの雪をかきわけ「動いてくれ、動いてくれよ~」ってエヴァのシンジ君みたいな言葉を発してた。
半べそかいてた。
正直メッチャ恐かった。
幽霊とかそんなもんの恐怖じゃなくて、人為的な恐怖。
正直自業自得なんだが😅
そしてある程度雪をかき分けた私は再び車に乗りアクセル全開でバックした。
「ぬけあたぁ~!!」
恐怖が一気に和らいだ、エンジン全開でその場を抜けて家路についた。
部屋に飛び込んで笑い泣きした。
「超~恐かったぁ~😭」
大声でそう叫びながらベッドにダイブした。
たぶん、人生の中でトップ2に入るくらいの恐怖体験だったと思う。
もう二度とこんな事はしない。
そう誓った正月の一体験でした😄
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