PACHINKO

今年はよく本を読んでいる。
もともと読書は好きだが、ここまで読むことはなかった。
現在まで80冊ほど。月に2冊読了すれば良いほうだったが、3月頃から読み漁っているので、単純計算として月に8冊は読了していることになる。
80冊読んだ中で、なぜに本屋で平置きにならないんだろう?
と思う作品がある。Min Jin LeeのPACHINKOである。某SNSで表紙の綺麗さにウットリしジャケット買いした。

上下巻合わせて700ページを少々超えるこの本を3日間で読み切った。
口コミサイトを見てもどれも評判が良いが、メディアで話題にはならない。

四代に渡り、『在日コリアン』の人種差別というものに翻弄されるのだが、世の中で多様性を謳うのならば、こう言った人種差別を題材にする本を押し出すべきだと思う。
私は会社員だ。会社組織全体で【多様な人材の確保】を謳っている。
「男性社員も育休を!」「性別は必要なのか!」「意欲のある女性社員の活躍の場を広げろ!」等々、挙げればきりがない。

差別は確かに存在する。と私は思う。
何故ならば、日常的に差別が存在するから。
例えると「公共交通機関に乗りマスクをしていない人がいる」→「コロナなのにマスクを付けることが当たり前なのに非常識だ」
この構図は単純明快だが、実は差別だと。私は思う。
髪の毛をピンク色に染め、パープル色の服を着て会社へ行ったら非難の声を受けるだろうし、タトゥーがガッツリ入った二の腕を見せ就職の面接会場へ出向けば相手にもされないだろう。
完全なる主観なのに、この主観が1人歩きして「常識」となり「非常識」となる。と思う。

しかし、世の中で多様性を謳うのならば、こう言った目に見える「差別」を
「常識」として受け入れ、それからご自身の都合の【多様な人材の確保】を
謳って欲しいなぁ。と私はぼんやり思う。

話しを『PACHIKO』に戻すが、この本が日本でベストセラーにならないのは
やはりおかしい。何故ならば、もう差別云々の本ではないから。
自国を植民地とされ、貧困にあえぎ、戦争と言う大きな渦へ飲み込まれる。
主人公はいつでも希望を捨てず、自分を誇りに生きるが、一つだけ自分を恥じる行為がある。この後戻りできない自分を恥じた行為が四代に渡る『在日コリアン一族』の物語りの始まりである。
誇り高いと感じる人間は【完全なる主観】だが、心に大きな傷を持っていると私は感じる。
まぁ、私なんて、40数年しか生きていないので、まだまだ『ひよっこ』です。


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