2024下半期でやっておきたいこと

飛行機、夜の散歩、コインランドリー。この3つ、日々の中で割と貴重な「なにもしない時間」だと思っている。飛行機は電波が届かないので携帯が使えないし、夜の散歩はそもそも歩いているので携帯が弄れないし、コインランドリーは、洗濯物を数十分後に取りに戻らないといけないという意味で、微妙な存在感を放つ絶妙な待ち時間である。ともかく、久々にランドリーでスニーカーを洗いながらしばし待っている間に、そろそろ6月が終わるな、ということが頭に浮かんでいた。

人生の営みは26年目に突入し、10年遡ってもすでに高校入学をした歳なのだということへの驚きと、しかし自分が大学を卒業して社会人になった時分はもう結構な昔のことに思え、学生の身分を終了し社会の海でなんとなく漂いたり泳いだりしているうちに3年そこら経過していたということでもある。しかし今のところ、これといった体力の衰えみたいなものは感じられないし、会社で毎年受ける健康診断も特段大きな変動はないし、何なら以前より趣味で(具体的に言うとZINEの準備とかそういうの)徹夜するような機会も若干ではあるが増えつつあり、体感としては大学4年ぐらいのころより若返ったような気さえする。

一緒に歳を重ねた知り合いと話すと、本当にいつまでもこういう類の話(年取ったねえ系の)を飽きずにしてしまい、そのことが自分が本当に歳を取ったのだという事実を再起的に実感させにくるものでもあるが、実際に時間の体感速度だけはひたすらに早まり続けていて、順調にわたしは歳を取っている。そんな中で、このままなんとなく人生を漂うよりは、なんとなくにしても、今生きて思っていることを言葉にしたり、あるいはこれから生きる人生に向けて考えていることをもう少し文字に残すようなことをしても良いのではないか、と思うようになってきている。

今年、何人かの友人が、2024年の目標とかやりたいことを決めて、文章に起こしているのを聞いて、なるほどこれは面白そうだと思ったのだが、しかしながらそれを耳にしたのは既に2月のことであった。ははーん、年度区切りで目標を設定するシステムを採用すれば4月にも目標は起こせるのかもしれないが、会社や学校における「期」の区切り以上の意味を年度に見出すのも、個人的にはなかなかなあ……と思っているうちに、6月が終わりそうになっていた。ともすれば、これはひとまず下半期にやりたいこと、を決めてしまえば良いのではないか。

180と数日の間でできること、やっておきたいことを一通り書き出し始めてみた。ある友人がこうした目標の類をビンゴにまとめていたのに引っ張られて、5x5= 25とし、「FREE」スペースを真ん中にして残りの24個を考える、という立て付けになった。

ところで、今年はこれまで以上に飛行機での旅行が増えた。

(1)ホテルオークラのフレンチトーストを作る

ランドリーで読んでいた本(くどうれいん著「わたしを空腹にしないほうがいい」)で、ホテルオークラの載せているレシピ通りに作るフレンチトーストがべらぼうに美味しいのだと書かれていた。思えば、自宅のキッチンで簡単な料理こそすれ、何かのレシピを見ながら、ちょっとした特別感のあるものを作ったことってあまりないかもしれない。

(2)海外旅行に行く

かつて国内旅行フリークだったわたし、実はいまだに海外に行ったことがない。そもそもかなり最近まで飛行機が得意でなかったのだが、それについては国内の移動で克服したので、あとはパスポートを取るだけのはず。数年ぐらいずっと海外行ってみたいなーと漠然と口にする活動はしていたので、そろそろ結実させておきたいところ。

(3)ポッドキャストかラジオを録る

これまで地上波のラジオはそれなりに聞いていたが、最近になってSpotifyのポッドキャストを聞き始めたり、友人の喋る音声コンテンツに触れるようになった。もともと、(地上波との対比の意味で)インディーズな音声コンテンツは、個人的に聴くまでに腰が重くて、なかなか触れられてきてなかった領域なのだけど、きっかけがあってちゃんと聴いてみるとすごく面白い世界だな、という発見があった。

(4)ZINEらしいZINE(A5かB5サイズ)を作る

ZINEって本当に良いですよね(水野晴郎)これまで空想地図をテーマにしたリトルプレス『空想と地図』は3号まで発刊してきたが、その活動をするにつれて、他の人が出しているリトルプレスやZINEに触れる機会が増え、その多様さやユニークさに惹かれるようになっていた。「ZINEらしい」というのは、A5かB5サイズぐらいの小さい版で、より個人的な主観性のつよい、一人の視点に偏ったクリエイティビティが注がれたZINEを作りたいな、ぐらいの意味だと思っていただければ幸い。

(5)地図じゃなくても良いので多奈崎の何かを作る、クリエイティブをする

2024年上半期におけるわたしのトピックの一つに、3年ぐらいかけた多奈崎市の描き直しを(ひとまずは)完成させた、というのがあった。しかしそれ以降は、特段なにかそれ以上作れたというものはなく、空想地図作者としての活動はちょっと停滞気味になっていて。ZINE「空想と地図」に時間を割いたり、それ以外のプライベートなことをしたりで、創作のほうになかなか興味も時間のリソースも割けなかったという事情はあるが、空想地図作家でっせなスタンスでもうちょっと動いた方が良いんじゃないか?という個人的な問題意識はあったりなかったりします。最近仲良くなった人たちが、それぞれでそれぞれの素晴らしいクリエイティブを作っているというのも、モチベーションの一端になっていたりはするかも。

(6)「2024年行った店」リストを120埋める

代々木上原に引っ越してから、「気になる飲食店」と「行った飲食店」を Google マップにピン打ちする活動を行っている。わたしは食事という行為がシンプルに好きで、せっかく都内に住んでもいることなので、こういう方面の開拓もいいんじゃないかと思い立ち、それから続けている活動のひとつ。「気になる」方は、街を歩いていてふと気になった店だったり、あるいは誰かと食事の予定が生じた際に探したのを備忘的に留めておくのも含まれている。「行った店」は文字通り訪れた店で、後者を120ぐらい埋められたらいいかなーと漠然と思っている。6月30日時点では50なので、少し背伸びしたぐらいの数値とした。

(7)クラウドサーバーの勉強

シンプルに仕事で使う知識。認定資格とか取ってもいいのかな。転職して1年ちょい経って、仕事の全体像は見えてきた代わりに、前職で扱わなかった範囲の基礎知識の抜け漏れがより浮き出るようになったな、と個人的に思っているので。

(8)新しい書店と仲良くなる

ZINEを出しはじめてからというもの、今まで以上に「書店」というところに対する興味と愛着が湧いてきている。「空想と地図」を置いていただいている書店は全国に8箇所ほどあるが、どこも発行主体である空想と地図の企画室メンバーが実際に訪れた店舗で、そのうちいくつかはわたしが訪れたお店で。書店に限らず、個人店でそこの人と話したり仲良くなったりすると、次にその街を訪れたときに立ち寄ったり、そもそもその街に行く理由になったりして、自分の住んでない街にも自分を知っている人がいる場所がある、というのは、なんだか心強いなあと思う。

3月。CITYLIGHT BOOK(代々木上原)にて。

(9)感情や出来事をちゃんと言葉や文字にする

もともと、というか今もそういうところはあるのだが、わたしは自分の考え事や内省ごとを頭の中でぐるぐるこねくり回して、こねくり回すだけこねくり回して雲散霧消するのを待つみたいなきらいがかなりある。そもそも人に何かを相談するというのが習慣づいてないところがあるし、相談相手になってくれそうなぐらい互いに親しくなった人が最近まで本当に少なかったというのもある。翻ってここのところは、できるだけ他人と仲良くやっていきたいぜみたいなモチベーションが上がっているのだが、そうなると自分の感情や考えていることはサボらずに文字にしたほうが良いんだろうな、と思う。あとは、例えばこのnoteみたいな形でも、そのときに感じたことやあったことをちゃんと文字にしておくことって、結構大事なことなんだろうなと思う。後から暇つぶしに読み返したりもできるし、読んでるときと書いた当時の差分なんかを見たりもしたい。

(10)海に行く

下半期も1回か2回ぐらいは海に行っておきたい。生まれが千葉県民なので、というのはたぶん関係ないけど、とにかくわたしは海が好きです。自然な海岸なら砂浜でも岩場でも良し。都心からそういうところって案外遠い。

(11)会ってくれる人にちゃんと会う

文字通り。ありがたくもわたしと仲良くしてくれる人とこれからもちゃんと仲良くしていきたいし、自分がそのためにできることはサボらないようにしたい。人間関係って、維持しないと割合すぐに霧消することがある、と思う。

(12)良いと思ったものだけを買う

お金が貯まらない。安かろう悪かろうみたいな洋服を買って1シーズンと経たずに無駄にするのは本当によろしくない。2024年上半期のシンプル反省。

(13)映画10本ぐらいは見る

見るのは好きだし、良い創作をインプットして良いアウトプットにしたいなみたいな気持ちもあるのだけれど、如何せん腰が重すぎるきらいがあるので、きっかけを見つけて積極的に取り入れたい。上半期はぜんぜん見ておらず……。ことし劇場で見たほぼ唯一の映画、濱口竜介監督の「悪は存在しない」は、めちゃくちゃ良かったです。

(14)お世話になってる店にちゃんと行く

ZINEで忙しくなったり仕事が忙しくなったり(と言い訳をこねながら)これまで通ってた近くの店に行く頻度が結構減ってしまって、もう少し顔見せた方がいいのかなあと思うなどしている。近所の書店に先日顔を出したら「忙しいですか」と言われてしまい、まあ確かにそうなんだけど、わたしの腰が重すぎるという問題もちょっとはある、と思う。頻度が開きすぎると余計に行きづらくなるし。

(15)早く寝る

今日もたぶんもうちょっと早めに寝た方が良かった。

(16)コミュニケーションをサボらない

(9)や(11)と似てるけど。連絡ちゃんとマメに返すとか、ただでさえ貴重な人間関係を維持する努力を惜しまないように心がけたい。

代々木に引っ越し、原宿駅を使う頻度が増えた。コーポオリンピア好き

(17)自宅デスク周りを整える(買い替えも視野)

実家から持ってきた細長いデスクを無理やり仕事用にしているのだが、良い加減そろそろいいものにしたい。デスクに限らず、一人暮らしの自宅にある家具、半分くらいは実家から持ってきたり、間に合わせで安物を使い続けたりしているのだが、そろそろ(26歳の大人でもあるし)「ちゃんとしたもの」を導入しても良い頃合いなんではないか。

(18)人に薦められたものを摂取する

自分の興味で自分から手にとれるものの幅は、自分の想像が及ぶ範囲に限られてしまうと思っているので、他人から薦められた思いも寄らないものこそを摂取していきたい。そこから自分の興味に接続するものもあるはずだし、そういう偶然で得たもののコラージュで、人ってできていくような気がしている。

(19)代々木上原以外の街に詳しくなる

いま住んでいる代々木上原は本当に良い街なのだが、良い街すぎて外に出る契機に欠けるところがある。それでも、街をざっと歩いてざっくり知るという意味では、都内の街はそれなりに歩いているつもりだが、そこから一歩進んで、その街の名所だとか、良いお店みたいなところに詳しくなりたい。荒木町に詳しいとか、大人っぽくて少し憧れる。

(20)積極的に展示やイベントに行く

映画と似ているけど、外で行われている展示やイベントにもう少し行ってみても良いのではないか。東京、そこらじゅうで毎日のようにイベント開かれているし。

(21)セルフケアちゃんとする

健康に金をかけたり、自分のことを自分で大事にするということ。もうちょい意識的にできる余地がある気がする。

(22)自転車の空気入れ買う

昨年に自転車を購入したのだが、空気入れを購入し忘れており、タイヤの空気が抜けてからすっかり置物になってしまっている。あまりにものぐさしぐさがすぎるので、下半期こそは購入した方が良い。普段の買い物とかすごく便利になると思う。

(23)日本のまだ行ってないゾーンへ行く。紀伊半島の南側、岐阜県の北半分、北海道のオホーツク管内、佐渡島のどれか(全部でも可)

昨年2023年に「全部の都道府県に泊まる」は終えたのだが、日本にはまだこの辺全然行ってないぜゾーンがあって、そこの姿を見ておきたい。特にわたしは都道府県庁所在地や大きな街から中心に訪れていたので、上記のような部分、まだまだ全然詳しくない。島もぜんぜん知らないのだが、ひとまずは大きな島から行っとこうかな、のノリで、佐渡。

(24)「空想と地図の企画室」のテコ入れ

昨年10月に立ち上げた団体?サークル?である「空想と地図の企画室」。「学会」の主催を1回、ZINEの刊行を2回終え、ひとまず、年次の活動は1サイクル回った感がある。わたしの個人プレーだったそれぞれの活動を団体で回していくようにシフトしていた時期から、これからはそれぞれをさらにブラッシュアップさせたり、より持続的かつ魅力的なものにしていくフェーズなのだと思っている。

フェイクでもあると嬉しい緑色

上記の24項目をこなしながら、良いと思ったことを良いようにやっていって、先の見えない人生、なんとなくの方向を決めつつ漂っていければいいのかな、と考えている、2024年下半期の最初の月曜未明。

年末には、このnoteを見つつ、今年一年を振り返るのを楽しみにしたいと思う。


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