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じっちゃまに学ぶ2022年米国株投資戦略

 じっちゃまこと、広瀬隆雄さんの2022年の米国株投資の戦略について各方面での記事や発言を総括してまとめました。また、2020、2021年の相場も振り返ります。

<2020年は何を買っても儲かる相場だった> 
・コロナウイルスの影響で2020年2月に米国株が高値から−35%下落
→これを受けてFRBは政策金利を0%に引き下げ、債権買い入れプログラムを再開、中小企業雇用維持プログラムなども発表した。

➡︎株式投資家目線では、このように中央銀行がなりふり構わず金融緩和へと邁進している場面では何を買っても儲かる相場が起こりやすい、実際そのような相場だった。


<2021年は物色の矛先が目まぐるしく変わり、インデックスへの投資が一番効率の良い儲け方だった>
・2021年に入ると、経済再開が始まり雇用市場が急角度で改善した(速いペースでの経済の立ち直り)。
→3兆ドルを超える財政散布が終了し、テーパリングの議論がされ始めた。

➡︎投資家は金融緩和がいつまでも続かないことを悟り、投資戦略の修正を迫られた。結果として、物色の矛先が次々と変化しストックピッキング(個別株投資)は困難を極め、VTIのような市場を丸ごと買うようなインデックス投資が一番効率良く儲けられた


<2022年はリテラシーUP・コアサテライト戦略は堅持しつつ、サテライト(バリュー投資)に徹し・リスクを切り詰め、メリハリをつけたトレードが重要>

・普通、米国の景気拡大局面は8〜10年くらい続く。
→今回の景気拡大局面は2020年4月から始まっているため、まだ2年目。今は長期的な景気拡大局面の初期に位置していると考えられる。米国の家計は健全で懐は温かい、2022年GDP成長率予想は4.0%で立派な数字。

・しかし、株式市場は新型コロナからの経済立ち直りをいち早く織り込み、先駆けて上昇しているため高値に買い進まれた株価に実体経済が追いつく必要がある。→2022年はスピード調整の年になるということ(この調整が完了すれば株式は再び買っていける状況になると思う)。しかし、このスピード調整には1年を要するかもしれない。

・目先の撹乱要因

①改善著しい雇用市場
(全非農業部門求人倍率は歴史的に高い水準、同離職率も歴史的に高い水準、平均時給も歴史的には高い水準、労働生産性は低い)

→雇用主が求人への応募が来ないと焦った場合、賃金をアグレッシブに引き上げる可能性。
 生産性の向上がないままに賃金だけが上昇すればいずれ「賃金価格スパイラル」という悪循環をもたらし、しつこいインフレリスクになる可能性がある。


②原油価格の上昇が続くシナリオの可能性
現在までのインフレの少なからぬ部分は、石油をはじめとするエネルギー価格の上昇によってもたらされた。今後、価格上昇の変化率は鈍化することが期待されている。
→しかし、現時点で上場シェール企業、サウジアラビアも増産はしていない。そのため上記シナリオも想定しておく必要がある。


③足下のインフレに対し、米国10年債の金利の低さ
米国の足下のインフレ率6.8%に対して米国債は1.5%前後で推移している。
→これは中長期で米国経済の成長が弱々しいものになるリスクがあることを示唆している。
 また、中国経済のスローダウン、世界的な国債利回りの水準の低さから米国債の利回り水準は魅力的でそれらのマネーが流入(買われている、したがって利回りも低下する)している。

➡︎つまり、足下の高インフレに対して米国の長期金利は低い水準で推移する可能性が高く、これはFRBがインフレ退治のためにアグレッシブに政策金利を引き上げられない(長期金利の低下に対して政策金利、つまり短期金利がズンズンと引き上がると長短金利差が縮小し、マイナスになるとその後、景気後退の前兆となる経験則がある)ことを意味する。


・2022年は株価指数だけでは儲からない理由

①今はインデックス投資信仰が極めて強くなっている。

→レバナスのような指数を2〜3倍のレバレッジで買うようなETFが飛ぶように売れている。大体、このように投資家の隅々までインデックスしかない、という思考が行き渡り、大衆が一つの人気商品に熱狂する局面になるとその手法が天井をつけるリスクが高い(VTIも例外ではない→VTIに関しては買うな、という意味ではない)。

②VTIなど市場全体を買うような指数の場合、GAFAM、テスラ、エヌビディアなど上位7銘柄がテクノロジー銘柄で全体の23%を占めている。

→新型コロナの恩恵を受けたものが多く、今後金利が上昇する段階においてこれらの銘柄にとっては逆風である。

③第1期目大統領の中間選挙の年の指数のパフォーマンスは1年を通じて悪いアノマリーがある(±0%)。


・2022年の投資ストラテジー

・コアサテライト戦略は堅持

具体的には

①VTIなど市場全体を買うような商品を50%
高利回り、低PERの個別株を中心としたバリュー株をサテライトに組み込む

具体的な銘柄
・エネルギー株(XOM,CVX)
・観光株(CCL,DAL,MAR)



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