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赤ちゃんができまして<2>

 仕事をやめたおかげで時間もできて、妊娠中なので規則正しいルールにそった生活リズム、食事、運動をすることになったので、どんどん精神が健やかになっていったような気がします。
 この時期が、一番落ち着いていたと夫は言っていて、私自身もそう思いました。
 何事にもやる気があって、家事を程よくしながら必要な運動、病院通いをしつつ、まだ時間があったので、自分の趣味もしていました。
 そこで、アンソロ主催をしたり、結構本も作ったと思います。
 その時期に一年で十冊ぐらい本を出したので、本当にエネルギーに満ちていました。
 この時に色々掃除もしていたのですが、お腹が大きくて高いところや狭いところの掃除がしづらかったので、それはもう少し前にしておけばよかったなと思いました。
 義理の母にも言われましたが、やはり子どもが生まれると他の家事に手をかけていられなくなるので、生まれる前に大掃除的に色々やっておくのは大事だったなぁというのは反省点でした。
 でも、そうは思っても、私は面倒くさがりなのでやらなかったかもしれませんが(笑)。
 しかし、そんな順調だった妊娠生活も、ある日の朝に一変します。
 臨月近くになっていて、子どももよく動き、お腹も大きく苦しくて、なかなか寝付くのも大変だった頃です。
 朝方に目が覚めて、トイレに行きました。
 トイレを済ませて立ち上がって振り返ると、便器の中が真っ赤。
 頭が真っ白になりました。
 一緒のベッドに寝ていた夫を起こして、これはとんでもないことかもしれないから、病院に行くことになるかもしれないと話しました。
 とりあえず病院に電話して、症状の内容を伝えると、すぐに病院に来てくれということでした。
 常々、妊娠の兆候が来たら、夫がいつもいるわけではないから、いない時に来たらと考えてはいましたが、実際は気が動転して思うように動けず、夫に助けてもらって病院に行きました。
 この時、本当に夫が家にいてくれて良かったと思います。
 こういうところも、私は運が良くて助かったなと思っています。
 何が起きたかわからないまま、不安の中で病院に来ました。
 まず手術室に通されて、手術台の上に上がった時は、とても緊張しました。
 というか、手術台にあがって、これ結構やばいやつかもしれない、このまま帝王切開とか手術とかになるかもしれないんだ、と改めて実感して少し怖かったです。
 麻酔がかかっていたとしても、やっぱり体に何かされるということはこんなにも怖いものだったんですね。
 人生の覚えているうちに、手術台に上がったことなんかありませんでしたから。
 先生には、すでに破水していると言われました。
 しかし、周数がまだ足りていないので、薬をうって限界までお腹の中で育てるということでした。
 ただもう破水してしまって、そこから他の菌に感染しやすくなってしまっているので、赤ちゃんをお腹に押さえておく抑制剤と合わせて、抗生剤を点滴で打ちながらその日から即日入院することになりました。
 病院に行く時はセットを持っていくように言われていたので、しっかり準備できていたのもよかったです。
 そのまますぐ入院となりました。
 私は、切迫早産だったのです。
 あと一週で三十六週だったのは運が良かったねと言ってもらえましたが、私はあれが良くなかっただろうかこれのせいだろうか、とぐるぐると頭に悪いことばかり巡っていました。
 とりあえず、体に特に異常は感じなかったので、そのままずっと横になっていました。
 絶対安静と言われましたから。
 トイレに行くことしかできませんでした。
 その後はわりと落ち着いて、穏やかに過ごしていました。
 夫には会社をたくさん休ませてしまって申し訳なかったですが、付き添ってくれたのはとてもありがたかったです。
 一人になると、とても心細い気持ちになりましたから。

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