「卯」について
今冬は厳しい寒さになるとも言われていましたが、今のところ大阪は比較的暖かい日が続いています。正月を過ぎてから、スーパーや百貨店は節分、バレンタインデー、雛祭りへと品揃えを変え、花屋にはチューリップが並び始め、これが現代の季節感なのかなぁと横目で眺めています。
さて、今年の干支は癸卯。卯年です。写真の薯蕷饅頭には上を向いて体を反らした卯の焼き印が押されています。見にくくて申し訳ありません。
「卯」の漢字を三省堂「漢辞海」で引いてみると・・・
①十二支の第四位。十干と組み合わせて方位や年月日を表す。
と最初にあります。
時刻では午前六時ごろ(午前五時から七時まで)を指し、「卯の刻」は昔のお役所の始業時間だったとのこと。電気のない時代、太陽が出ている時間を少しでも有効活用する為に、日が出てるか出てないかの時間から仕事を始めていたわけですね。今のわたしたちの感覚からすると、午前六時始業というとびっくりですが、終業時間も正午頃だったようです。とはいえ、通勤も多くの人は徒歩の時代。なんだかんだ言って、通勤と就業に一日のかなりの時間を取られていたと思われます。冬の早朝出勤はとても寒かったでしょうね・・・。
方位では東、とあり、次に動物ではウサギ、との説明があります。十二支を決めた後、動物をあてはめ、卯をウサギとしたのでしょう。動物のウサギの姿から出来た漢字は「兎」の方です。「卯」は、万物が土を押し上げて出てくる、つまり芽が出てくる様子を表しているとのこと。この時期ということで、中国では陰暦二月のことを卯月と言うようです(陰暦五月は午月)。日本では四月の異称が卯月ですよね。こちらは、卯が十二支の第「四」位、という四のところから採ったのではないかということも一説としてあるのですが、日本の卯月の由来は現在ではもうはっきりしないようです。
で、卯、ウサギの焼き印を押した写真の菓銘は「卯の賀」。
現代ではウサギの跳ねる動きから、飛躍できる年になりますように、などとよく言われます。
そろそろ新年気分も終わり、20日は大寒。一気に気温が下がってくる予報です。今のうちにどうぞ寒さにお備えください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?