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新札を尊ぶ文化

そろそろ木槿(むくげ)が咲き始めました。お茶では夏の時期によく使われる花で、どこか切っていいようなところに咲いていないかなぁと怪しい目つきで近所を歩いております。

習い事、特に和のお稽古事ですと、先生に現金でお月謝をお支払いする場合には新札を準備される方もいらっしゃると思います。そこまではしなくても、結婚式や進学祝、お年玉などで現金を包む際には前もって銀行に両替に行かれたりしないでしょうか。

一月ほど前に、普段利用する銀行で新札に両替しようとすると、千円札の両替はしていないとのこと。その時は銀行がサービスを削減し始めたのかな・・・と思っていたのですが、今日見かけたネットニュースで、2024年からの新デザインの発行の為、既に現行の紙幣の印刷は終了しており、現行紙幣の新札両替は、各銀行で在庫が無くなり次第順次終了となることを知りました。

社会として両替不可の状況なら、受け取る側の方も「しわしわのお札を入れるなんて礼儀を知らない!」なんて怒り出すことはないでしょうが、この時期御祝いを受け取る方はちょっと気の毒かな・・・なんて思うのは、日本人特有の感覚なのかもしれません。

10年ほど前に中国に行った頃は、新札を使うと偽札と見分けがつきにくいから、ヨレヨレのお札の方が信用されると言われていました(中国に限らないかもしれませんが)。実際、日本だと出回っていないようなヨレヨレのお札をあちこちで渡され、どきどきしながら使っていました。当時調べたところでは、日本は紙幣の偽造防止の技術が優れており、新札でも信用されやすいとのことでした。

時は流れ、中国はニュースなどで見る限り、既に日本より遥かに現金の要らない社会に変わっているようで、もう昔のようなヨレヨレのお札を目にすることもないのかもしれません。

もっとも、日本でもお葬式の場合は、突然のことで準備が間に合わなかったことを表すために使用感のあるお札、場合によっては新札に折り目をわざわざつけて香典袋に入れたりします。紙幣の使い方にもその国の技術や文化が垣間見え、興味深いですね。

新札は2024年上期導入目標だそうで、絵柄は、一万円札は表が渋沢栄一、裏は東京駅丸の内駅舎、五千円札は表が津田梅子、裏は藤の花、千円札は表が北里柴三郎、裏は葛飾北斎の富嶽三十六景から神奈川沖浪です。

今日の菓銘は「雨後の月」。
この名前で検索したら、日本酒が真っ先に出てきました。こちらも気になります。ちなみに次の満月は7月3日のようです。

朝晩共に気温が上がってきて、過ごしにくくなってきました。それでも暑熱順化といって、この時期から徐々に暑さに体を馴らすのがよいとか。夏を迎える準備も始めていきましょう~。

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