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「境界戦機」とは何だったのか 最終回『境界戦機とは何だったのか』

境界戦機ファンのみんなごきげんよう、ランガタロウです。
最終回のサブタイが1話のサブタイにもう一度なるとカッコイイよね
まぁ境界戦機ではやってませんが(境界戦機最終回のタイトルは『隠岐の島・後編』)

1クール通して何も積み重なってない

結局境界戦機は1クール通して何も積み重ねたものが無かったと思う。
もちろん第二部で消化する要素をばら撒いただけとも擁護しようと思えばできるが、実際に第二部が放送されたら拾われない可能性もあるので言わない。

主人公であるアモウはやりたいことが見つからない日々をなんとなく生きていたのを巨大ロボット「ケンブ」とパートナーAI「ガイ」に出会ったことで、日常が変わっていくという立ち上がり方をしながらも。

アモウが見つけた「やりたいこと」は結局「人助け」という話になった。それ自体はアモウ君というキャラクターとは解釈違いじゃないのだが、問題はそれを最終回で急に言い出すことである。

まず最終回(最終決戦)でアモウ君が戦っているのは第4話で無人機ゴーストに襲われ、レジスタンスにいた美人のお姉さんの死を見てしまった経験から『ゴーストを放置しているとあのお姉さんみたいに誰か死ぬかもしれない』という気持ちからである

その後彼は「外国人に差別され苦しめられる日本人の現実」を旅しながらたくさん見ていく

そして8話でDASH村を作ることで「人助け」の概念に目覚めるわけだが

「差別に苦しむ日本人を見てきたことはそんなに積み重なって無い感じ?」って感じ

このアニメは全部で13話もあるのに4話で一回戦っただけの相手がラスボスとして君臨し その因縁も4話の中にしか存在しないの誰かおかしいと思わなかったんだろうが。

例えばゴーストが何度も登場して色んな場所で被害を撒き散らしているなどの因縁が積み重なっていれば良かったんだが 「主人公とゴースト」が同じ場所にいる回は4話と最終決戦だけである。

境界戦機全体にそういう感じで「そう言ったからそういうことになった」みたいな場面が多数ある

お前は何なんだ紫々部シオン

3号ロボのパイロットにして6話から登場する美少女?シオン
主人公チーム初の女性パイロットである

で、こいつびっくりするぐらい話に絡んでこない

「何故戦うのか」という理由は本人の過去回想の中だけで説明され、それを他人に打ち明けるシーンが無いのでコミュニケーションが発生しない

コミュニケーションが発生しないということは…というように、このアニメの最大の問題点である「一回視聴者に見せたことは登場人物も知ってることになるけど そういうやり方してるせいで 登場人物同士の絡みが無くて いつ仲良くなったかもわからない」みたいな人間関係の最大の被害者だと言っていいだろう。

お祖父ちゃんの跡を継いで陶芸を復活させたいというキャラ付けも、それを通してキャラクターに深みを与えるとかではなく何かに付けて陶芸を擦る変なギャグになってしまっている。

最終決戦を前にそれぞれが自分の時間を過ごしているシーンが連続する時に一人だけロクロ回してるシーンとかもうギャグの領域である。

1から10までめちゃくちゃな最終決戦

侵略された日本を解放するために戦うアニメの最終回が「なんか無関係に暴れてる無人機を倒す作戦」なの本当にナンナンダと思うが、倒し方もめちゃくちゃである

ゴーストは銃弾の通らない装甲、レーダーも誘導ミサイルも無効化するジャミング、多少破壊されても他のロボットのパーツを取り込んで再生していくなど圧倒的な強敵だが、何故暴れているのかとかを一切掘り下げなかったので良くわからない存在になっている。

主人公達3人のロボットが連携して追い詰めるも、カタナも聞かねえし銃弾も聞かねえしで「まずリアルロボットアニメがどうこう言うならこいつの装甲が何で出来てるかの設定が知りたいよ」という気分にさせられるが本当にめちゃくちゃなのはこいつの弱点である

作戦によってゴーストを弾薬庫に追い詰め、倉庫ごと爆破することによって大ダメージを与えた!と思いきやゴーストは燃え盛る炎の中から現れた。やはりこいつは無敵なのか?というところで

ゴーストは高出力なロボット故に常に強制放熱の必要があるので熱に弱いという弱点があるとここで初めて明かされる

4話で自分の中の熱を最大限に高めることで自爆すると見せかけて逃げるという荒業を使っていたような気がするけど とにかくこいつは高熱に弱いらしい、登場人物がそう言ったからそうなったのだ

ていうか「燃え盛る炎の中から無傷で登場したロボット」に対して「あいつは高熱が弱点だぜ!」って言っても何の説得力も無いけど作ってる人達は誰も気が付かなかったんだろうか。

まぁそれはそれとして巨大な電子機器であるロボットが排熱出来なくなると弱くなるのは納得が行くのでここから排熱機構を潰していくという展開になるのはまぁ筋が通っている、通っている…が!

排熱機構を潰されたゴーストが全身から火を噴き出しながら溶け始めるのは!!!!!!!おかしいだろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

皆さんご存知の通り境界戦機のロボットは全員電気駆動である、バッテリーに充電をして動いているので、内燃機関も無いし、何とか粒子をエネルギーに変換するジェネレーターがあるわけでもない。

火花をバチバチさせながら黒い煙が出てくるのならわかるが、こいつはなぜか苦しみながら鬼滅の刃ぐらい炎を噴き出しながらゴジラVSデストロイアのラストシーンのゴジラのように溶け始める

回路が一切焼き切れること無く装甲だけ溶ける熱暴走 まるで服だけ溶けるスライムの粘液のようである。

さらにここからゴーストは衝撃の行動にでる

海に入ろうとする

えぇ?!熱暴走している電気系統の塊を海水に漬け込んで冷やすんですか?!できらぁ!!!

アメインゴーストは自我を持ったAIが搭載された無人機である
AIの最適な判断と機械の身体というパイロットの生死を考えなくて良い挙動により無敵のロボットであり動力源はバッテリーからの電気である

それが今!海に飛び込もうとしている!!!

どうしたんだ境界戦機!!!「リアル」ロボットの新時代を作るんじゃなかったのか!!!境界戦機!!!

もうどう考えてもどろどろに溶けた装甲を抱えたバッテリーロボが海に飛び込んだら勝手に死ぬとしか思えないが

主人公・椎葉アモウは命がけの特攻でゴーストを逃すまいとする!!「こいつを逃してしまったらまた誰かが犠牲になる!そんなことはさせない!!」

大丈夫だよ!!!そいつを逃しても!!!勝手に壊れるって!!このアニメは”リアル”なロボットアニメなら絶対壊れるから放っといても大丈夫だよ!!!

そして大爆発を起こすゴースト

大爆発を?!?!?!体内に火薬を詰んでるとかでも無いのに大爆発をしたのかい?!?!?!?!

とにかく大爆発したんだ

できるだけスクショとか貼らずに説明して、みんなに本編を見てもらうつもりでいたけどこれを見て欲しい

電気で動くロボットの駆動系排熱が不可能になって熱暴走を起こしたという絵面がこれになることある?!?!?!?!

いったい「何」が燃えているの?!?!!?

煉獄さんなのかい?!?ヒノカミカグラなのかい?!

よくわからないがこれによって主人公もゴーストも跡形も無く消えてしまう…

そして…生死不明としてロスト扱いになる主人公

あの爆発から良くパージ出来たなと思うが本体であるAIの入ったストレージだけ海に射出しており米軍に拾われたゴースト

戦いは2期へ続く!!!とのことである



制作陣はいったいゴーストを何として描きたかったのだろうか、もう暴走無人機とかそういう問題ではなく「それが何の素材で出来てるか説明しないと何もリアルじゃないぐらいファンタジーに硬いロボットですね」って感じである 助けてくれ。

境界戦機とは何だったのか

境界戦機とはつまり「点」なのだ

面白いエンターテイメントというものが「点と点が繋がった時に線になる」ものだとしたら境界戦機は点なのだ、我々視聴者はこれを線としてつなぐ日を夢見て点を眺めているが 意味不明な場所に点が増えていくだけで線は一本も引かれない そんな作品だったと言えよう。

だが私はこのブログを通して境界戦機はクソだとか駄作だと伝えたいわけではない。というか実際に境界戦機を見たことのある人も「そこまで言うほどじゃない(批判というのはまず線になってからじゃないと出来ないのでそれ以前)」っていう話だが

こんなブログを書くほど最終回まで付き合ったのは境界戦機を楽しんだからに他ならない

毎週毎週「おかしいやろ!!!」「そうはならんやろ!!!!」「オセアニア軍が攻めてきたぞwwwwww」とリアクションするのはとても楽しかった アニメにはそういう楽しみ方もあるんだ それを知ってほしい。

それはそれとして、こんなものを商業ベースで放送した制作陣はなんかちゃんとした偉い人とかに怒られて欲しい

おそらく境界戦機第二部も俺の予想を踏み越えて毎週
「そうはならんやろ!!!!」という絵面を連発し怒られそうな思想を出しまくってハチャメチャやって楽しませてくれると願いたい。

ではまた次の記事までごきげんよう

ちなみにこのブログを書いている人はVチューバーの真似事をやっているのでたまに更新されるYouTubeとかも見てくれ


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