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39【やらかしてしまった話】


6月18日
早朝、4時には目が覚めて
ウォーキングに出発(ノン以外)

吉野川沿いをゆったりと歩く
のんびりしていていい町

昨日ノンが話していた
吉野川にかかる告白橋を
ヒューヒュー言いながら渡って
河原に降りゆったりとした
水の流れを感じる

宿に戻って
部屋に面したウッドデッキで
いわゆる
ブレックファーストを食べる

ガブちゃんのことは
すっかり忘れて


あぁこんな日が
いつまでも続けばいいなぁと
思いながら


この日、ノンは文化祭で
だけどコロナで保護者は学校に
入れないので別行動をする

一旦、高知市内に戻って
美術館やお寺や市場に行き
一時の高知旅行を楽しむ

夕方、ノンを学校で拾って
いざ!金比羅山の麓の宿へ

何百年も前から
そこでずっと宿を営むと言う
老舗の旅館は本当に素晴らしかった

部屋の真ん前にある

貸切露天風呂がこれまた最高


いままで訪れた中でも
TOPクラスにスンバラしかった

まるでもののけ姫の森の中に
湧いた温泉のよう
森の向こうにシシガミ様が
金色に光ってこちらをみてそうな
雰囲気だった

夜はそこから歩いて10分ほどの
居酒屋で名物の鳥料理を食べ
ゆったりと散歩をしながら
帰ってきた

あーあ
なんたる幸せぇ


な気分で
ノンの誕生日
日付が変わる0:00ぴったりに
おめでとうメッセージを送る!!

Rくんにほんのちょっと
勝ったらしい!! 笑

そんなことをしながら
眠りについた

そしてその朝
それは起こった

元々、金比羅山にいくのを決めたのは
ムウの病気の平癒を祈願するため

上まで行けるか不安だったから
1ヶ月前からウォーキングで鍛えもした

たまたま虎の門病院のすぐ近くにも
金毘羅宮がありこれはきっと呼ばれてるなぁと

やっぱり上まで登ろうよと

ムウ、ルウ、母で話し
3人の中では
この日の早朝のぼることは決めていて
朝早く起きることになっていた
(これがノンにはうまく伝わってなかった)

1番に起きたムウ
東の窓を開け、朝のルーティーンで
文章を書いていると
だんだんと空が明るくなってきて
窓から見える山の奥から
太陽があと少しで登ってきそうな気配がして

それがなんとも神々しくて
みんなを起こした

ルウ、ルウ
みて、朝日が登ってくる


すんごい綺麗


眠そうな目を擦りながら
ルウが起きてくる

うわぁほんと綺麗〜

のーん のーーん
すんごい綺麗よー
起きてみなー 朝日

のんのバースデーサンライズ
太陽もお祝いしてくれてるわ〜


めちゃくちゃ眠そうなのんも
なんとか無理やり目をあけて

ほんとだぁ〜 と身体を起こす

すごいねぇ〜

とひとしきりサンライズを
堪能したあと

さぁいまから金比羅山登るで〜!


と張り切ってみた

いまからぁ、、、
無理無理無理無理
こんな朝から山登りは
無理無理無理無理

いってらっしゃーい

とのんが二度寝に入る

うーーーん

のんも一緒にいこーよー
絶対気持ちいいで〜

となんどか起こしにかかるけど
起きる気配はない

そこでどうしても
どうしてもみんなで一緒に登りたかった
ムウが話し始めてしまった

こんなタイミングで言うはずじゃなかった


こんな雰囲気でいうはずじゃなかった

昨日もおとといも
ずっといいタイミングを見計らってた

誕生日に知らされるのも困るやろなぁとか

帰る間際ってのも微妙やろなぁとか

でも旅のはじまりってのもなぁとか

そんなことばっかり考えてたせいもあって

話し始めてしまった

のん
のん
ちょっと聞いて

パパね
病気がみつかったのよ

そんなに大したものじゃないけど
この旅行から帰ったら手術をするねん

だからさみんなで
一緒にお参りに行きたいねん

な、一緒にいこ


いっちゃった

最悪のタイミングで
おしつけがましく
無理やりコントロールするような
こんな嫌な言い方で


あーあ
やっちゃった

のんは絶句してる

え?どういうこと?
なになになになに?
なんでいま?

という顔で

しばらくして
涙がポロリとホホをつたう



あーあ
ごめん、そんなつもりじゃなかったのに
あーあ

ごめんね
びっくりさせるつもりは
なかってんけど
やっぱり手術するから
伝えとかなって思っててさ

あーあ

ルウも見かねて
フォローのつもりで


そうなのよ
のん パパ
すんごい大手術やからさ
みんなでお祈りにいこうよ

(あーあ、さっきムウ
 大したことないっていうたのに)

ごめん
ごめんね 誕生日の朝にさ



結局、のんは行かない選択をした

事実、身体が動かないのと
びっくりしたので行けなかったんだ

やらかしちまったなぁ

というなんともいえない後悔が残った


難しい
ほんとに難しいな

このことを誰かに共有するって
ほんとに難しいな

そうして3人で早朝の金比羅山に登った

いろんな思いを抱えながら
3人で金比羅山に登った

登れるかぁといいながら
一歩一歩登った

あーあ





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