18【情報の海で溺れないために】
カミングアウト問題
これはなかなかの難題
自分にはりつけるラベル
周りにかけさせる色メガネ
これがムウよ
これだけがムウなのよ
うそ
ムウは誰?
本当にそれがムウ?
らしくないわね
らしくもないぞ
シラナイ
名前がついた途端に
それがそれとして
見えてしまう
自分に貼り付けてきたラベル
できたら剥がしたいのに
どこかそれに素肌を覆われて
ぬくぬくしてやがる やだ
ムウ、ガブちゃんになりました
周りに伝えることで
受け取れるものと失うもの
それが
それが
一体なんなのか
わからない。
5月6日のこの日
朝から、民泊の掃除
何を言っても日常はそこにある
自分のおっぱじめたことは
容赦なくムウを巻き付けていく
途中
大好きな仲間から電話
今日、いる?
うん、午後なら帰ってると思うよ
どうした?
じゃぁ後でいくね。
彼女は
わざわざ、遠いところまで行って
お札とお水と砂をムウのために
持ってきてくれた
ありがたい
それもムウの大好きな神社の
呼ばれるように行ったんだという
わかる〜
純粋に嬉しい
あーこの人ほんと好き
と思う
同時に
ムウのために
この時間を使わせてしまったことの
申し訳なさのような
後ろめたさのような
そんな気持ちもない訳ではなくて
無邪気に手放しで
こういうのもっとどんどん欲しい〜
と欲しがれない
貸し借りや損得で
生きてるわけじゃないけれど
もらったエネルギーは
それを循環させないと
と思ってしまうたちだから
だからって
告白したのに
何にもないのも
さみしいのよね
なんだそれ
なんだこれ
めんどくせ
めんどくせ
かまってちゃんのくせに
かまわれたらほっといてよ
ほっとかれたら
かまってよって
めんどくさい
めんどくさい
ごめんなさい
だから誰にいつ
どうやって伝えるのかは
本当に難しい
噂話のように
ムウの知らないうちに
みんなが知ってるなんてことは
おぞましすぎてブルブルだけど
自分が内緒にしていられないから
誰かに“内緒にしてね“と話す
その誰かだって
内緒にしていられない気持ちに
なるに決まってるのにそれを強いる
自己矛盾
やだな
でも一人は怖い
怖いよ
ヘタレ
5月2日の千葉大の初診の後
もっとも信頼のおける夫婦に連絡
今の現状を伝え
こういう時の心構えと
おすすめの本を訪ねる
ショックを与えてしまった
ごめんね
この時ムウはまだ
情報の海に飛び込むことを躊躇し
一切、何も調べないままでいた
有象無象の
あらゆる情報を取捨選択できる
自信もなく、いっぱいあるであろう
怖い話にメンタルがついていける気がしないから
多分、世間に公表したら
いままでで1番の“いいね“がついて
いっぱい、いっぱい、心配と励ましをくれて
情報も拡散されて
誰だっけ?って人からも
あれがいいよ、これがいいよ
これはダメよ、あっちがいいよ
が流れ込んできてその大海原で
ムウはブクブク溺れるのは目に見えてる
そのどれを
一体全体そのどれを
選んでいいのかなんて
わからないのに
この状況でどれかを選び
どれかを捨てなきゃならないなんて
今すぐここから離れないといけないのはわかる
わかるよ
だけどここから
どの方角に
どういう手段で
誰と進んでいけばいいのか
その判断が生死を分けるとしたなら
そんな判断、怖くて簡単にできない
こうして
時間だけは容赦なく前に
進んでしまう
相談した彼女からは
おすすめの本を2冊教えてもらい
彼は遠くから会いにきてくれることになった
ムウはきめた
彼がやってくるその日までは
情報の海に飛び込まず、
ムウを落ち着ける
ムウの暮らしを落ち着ける
ムウの気持ちを落ち着ける
そのことだけに専念しようと
教訓
:まずは慌てず、落ち着く
:落ち着くのには時間が必要
:情報の海に飛び込む前に準備体操をしよう
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