11【ホー・ミタクエオヤシン】
5月1日
HOCAに集った14人
男7、女7(うち中途半端1)
ぐるっと輪になって座る
事前にセレモニーリーダーのMKさんと
ファイヤーキーパーのDDには
今日、ムウはスウェットの中に入らず、
ファイヤーキーパーをする
と伝えた
なんでやねん
お前入らな、どうすんねん
と言ってくれたが
伝家の宝刀
”ドクターストップがかかってる”
の刀を抜き、一刀両断
みんなにはあとでいうから と
(このときはまだガブちゃんであることを
伝えるつもりはなく、体調が悪いということに
しようと思っていた)
この言うか言わないか問題は
本当にムズカシイ
ジェンダーにしても
病気にしても
障害にしても
それまでなんにもなかったものに
名前をつけたとたんに
それがそれとして光を放つように
そうだと宣言した瞬間に
それ以外のものになれなくなってしまう
ガブちゃんなのよと
言った瞬間に自他共にそういう人として
扱わざるを得なくなり
それまでの関係性に歪みが生じる
誰にいつどうやって伝えるか
これはほんとに命題、命の問題
ムウから
今回のスウェットロッジの開催意図を軽く説明し
それぞれのあいさつが軽くあって
MKさんのレクチャーが始まる
スウェットロッジがネイティブアメリカンの間で
遠い昔から祈りや癒しの場として使われてきたこと
どんな病気もこのセレモニーで癒してきたこと
そんなことを聞いているうちに
あほか?
ムウはあほなのか?
とだんだん、
入らない宣言をしようとしてる自分が
しょーもなく思えてきた
口では
”起きてることに身を任せる”
”流れのままにいきてる”
とカッコつけつつ
イザとなったらビビって
まったくこの世界を信頼しようとせず
尻尾をまいて逃げようとしているムウが。
あほか
天が特別なこの日、
ガブちゃん宣告された翌日に
このメンバーを招集して
この場を開いてくれたことの奇跡を
ムウが信頼せんでどうするねん と
たとえ、仮に
それでガブちゃんが大暴れして
命がつきたとしても
それはそれとして受け入れよう
この場には”命”をかけてみる価値があると
そんなこんなでムウはみんなに
昨日、ガブちゃん宣告をされたこと
まだ詳しいことはわからず
生きるか死ぬかもわからないこと
同時にずっとジェンダーの問題を抱えてること
それを昨日、ルウに告白したこと
スウェットロッジに
入らないつもりでここにきたけど
やっぱりみんなと一緒に入ることに決めたこと
を伝えた
おそらく、びっくりはさせたけど
みんな、そのまま、きいていてくれた
このときこのメンバーに
伝えられたことで
ムウの中でスイッチがバチンと入った
ガブちゃんのことや鸞子のこと
ごまかさず、しっかり受け入れて
愛するんだというスイッチが
そうしていよいよ
そこに入る時がきた
女子が先に入って、
中途半端なムウ、そして男子6人が続く
図らずも、ムウが入り口から一番遠い
場所に陣取ることになる
知ってる人は知ってると思うが
この場所、めちゃくちゃ熱いのよ
一番、熱いのよ
そして、ムウの頭には髪の毛がありません
つるっつるの坊主です。
スチームサウナの熱波が
か弱い頭皮にそのまんま襲いかかるのよ
最初は調子に乗って
テンション上げ気味で
余裕を気取ってたんやけど
熱いのよ
ほんとに 熱いのよ
みんなが想像する20倍は熱いのよ
(みんなそうおもってるやろうけど)
ファーストステージが始まって
あっという間に温度があがり
一瞬で恐怖に絡めとられた
本当に死ぬかもしれない
もうダメだ、もう無理だ、
あかん やかん タイムボカン
もう意識が朦朧としてきた
死ぬるー 死ぬるー 助けてー
なんでこんなことをやろうとおもったのか
あほか、ムウは
絶対、二度とやりたいなんていいません
だからどうか許してください
あかん、ほんまに やかん、おかん、、、、
そしてポツリ
「どこまで我慢すればいいんやろうか。。」
とつぶやき
ちょっと出る
ほんまに無理
あとは頼む、みんな頼む
やっぱり今日入るのは無理やった。。。
と、這うようにして一番奥から
外に出たとムウは思っていた
しかーし
この時、ムウは一回死んだらしい
完全に白目を剥いて
呼吸もとめて
一旦、あの世へ行ったらしい
それも結構な時間、
あちらの世界にいたらしい
遠くでムウを呼ぶ声が聞こえてきた
誰かがうちを”ジージ”と呼んでる
誰が”ジージ”や
確かに孫は三人おるけど
ムウは”パピー”や!
じじー呼ばわりするんじゃねーーーー!!
と息を吹き返したらしい
そこはうっすらと覚えてる
誰かがいうような
お花畑はそこに広がってなかったけど
心地が悪い感じでないのは確かで。。。
これぞ生まれ変わりの儀式
でもMKさん、ムウがほんまに
あそこで死んでたらどうするんやろう。。
怖すぎる、シャーマンの腹の座りが怖すぎる!
這うようにして外に出たムウは
DDに介抱されながら外のベンチで
横になる
しんどい、猛烈にしんどい
そして寒い、あんだけ熱かったのに
猛烈に寒い、生きてるよなムウ
うん、生きてる
そして徐々になんだか清々しい
なんでかわからんけど清々しい
うおーーーーなんか気持ちいいーーー
スウェットの中がこの世だとして
ムウはそこから抜け出して
外側の世界にいる
心地はめっちゃいいけれど
このまま、ここで落ち着くのか。。。
そのとき、中から声がきこえた
なんだか楽しそうな
(決して楽しかったわけじゃないと思うけど)
祈りの声が聞こえる
ムウを失ったこの世の世界は
それでもそのまま続いてく
ムウがおってもおらんでも
この世はなんにも変わらずに
そのままするする続いてく
急に、さみしさがこみ上げる
戻りたい!猛烈に戻りたい!
いますぐあの中に戻りたい!
しんどくて熱くてつらくて
耐えられないかもしれないけれど
みんなとそれを乗り越えたい
猛烈な所属欲求に救われて
生きたい!
という気持ちに血沸き肉踊り
ムウは生き返った(中に戻った)のだ
そこから先はもう、嬉しくて
楽しくて、熱くて、痛くて
泣けて、笑えて、歌えて、
喉がガラガラになるほど叫びまくれて
テンション上がりまくり
調子乗りまくりで
生きてる実感をモリモリかみしめた
ラストステージの超然高温には
悶え苦しんで、死にそうになったけど
なんとかみんなで生まれ変わって
外にでてきたのでありました
そのあと、HOCAの教室で
ぐったりし、甘えに甘えて
一切の片付けを任せてしまったけど
感謝感激雨あられ
最高のセレモニー
ほんとにガブちゃんを愛す勇気がわきました
生きる
生きるよ ムウ
死ぬまでちゃんと生きるよ
最後の最後、みんなとバイバイするときに
ルウにガブちゃんのこと
いうか言わんか問題を相談し
俺やったら絶対、教えて欲しいと思うな
というDDの言葉に勇気をもらって
家路へとつくのでありました
これを臨死体験と呼ぶのかもしれない
あっち側の世界は怖い場所じゃない
だけどまだムウにはここに仲間がいる
家族がいる、そしてやりたいこともある
この命、つきるまで
この世を面白くご機嫌にするために
生きて生きていきまくるぜよーーー
教訓
:限界を超えたその先にパラダイスがあるかもしれない
:ムウが死にかけたらジージと呼べば生き返る
:イキルチカラはコンコンと泉のように湧いてくる
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