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33【もう戻れないアタシ】


6月6日
虎の門病院のU先生に会いにいく

んだけどその前に
この間、実に

いろんなことがあった(した)


しばらくやめていたYOGA
5月だけ通わせてもらえないか交渉し、
承諾を得て、毎日通う

ずっと悩みの種だった
歯を少しずつ白くするため
歯医者に急いで通う

不動産屋になる前から
関わっている大家の学校の
9期の開校式

もう最後かもしれないとおもいつつ
笑いながら参加する

民泊のクリーンスタッフの
面談
をし、掃除の段取りを教える

不動産の業務を一旦、縮小するため
アットホームと打ち合わせをする

不動産の仲介、売買契約を行う

賃貸をしている家の人と話す

退去の手続きをする

リフォームの案件の見積もり
工事依頼をする

売り出しを依頼されている
家の写真を撮り、文章を書き
仲間のコミュニティに告知
する

しばらく行ってなかった
美容外科で脱毛をしてもらう

大学のスクーリングの日程が
治療と被りそうだったので
なんとか交渉して前倒ししてもらい
丸3日間、朝から晩まで
社会福祉と精神保健福祉の勉強をする

それ以外にも授業をひたすら受け、
6月3日からは単位認定試験を受ける

捨てられない本を自炊業者に送り
データ化
してもらうよう進める

ありとあらゆるものを整理する

治療が始まる前に行くつもりの
高知旅行の手配をする

近くで場を開いたという人を
紹介され会いに行く

車を車検に出す

北の方角がいいことを聞き
成田の麻賀多神社にお参りにいく

川村美術館に行き
鑑賞ツアーに参加する

酒々井アウトレットに行き
ルウとカムクララーメンを食べる

こうして
こんな風にして
ひとつひとつ
いろんなことを整え
心の準備をしていく


もう、この日々には
戻れないんだと思いながら


こんなことがあった。。

大学のスクーリングのときに
先生との個人面談の時間があって
来年行くことになる実習の話になり

何か、川北さんのことで

特別にしっておくことはありますか?


と聞かれた

とっさにいうかいわないか
迷いまくったけど
迷惑がかかる可能性がなくもないので


はい、実はこれから治療がはじまる
病気があります


と伝えた

そうなんですね、、、

差し支えなければ
病名を教えていただいていいですか?


それは言ったほうがいいでしょうか?

そうですね、、できれば
実習先を選ぶ際にも配慮が
必要になるかもしれませんので。。


確かにそうですよね。

ガンです



言った瞬間に
ガーーーーンと来た

ガン です。

の響きを自分に響かせたことに。


意外なほどショックだった

頭でわかっていることと
口に出してそれを確定させることが
こんなにも違うなんて


もちろん相手の顔も一瞬で変わった

元々、赤い顔の先生だけど
それがより真っ赤になった

福祉の専門家である先生でも。

なんともいえない
なんていったらいいかわからない
表情と間があったあと


それは大変ですね、、、、。

と。

あまりにショックが大きかったので

このことは他の先生方には
できたら内緒にしていただけますか?

と伝えた。


困った顔をしていた。

あーあ
アタシは がん なんやね
ほんまに


受け入れているようなふりをしながら

まったくもって受け入れられてない

自分に出会った瞬間だった

もう、後戻りできない
もう、時間は巻き戻せないのに

何をしても
誰といても
アタシは病気を抱えていて
もう、なんにもない
元のアタシには戻れないことを

少しずつ受け入れていかなくちゃ
いけないし
そのための準備をしてきたつもりなのに

やっぱり、なんにもできてないね


この間、いっぱい
食道がぶの患者会の人や
いろんながぶ経験者の動画をみた

明るく笑って自分の体験を語っているけれど
それぞれにもう、元には戻れないことを
身をもって証明されていた

もうすぐアタシも
そちらがわにいくということが
とてつもなく怖かった


この間にあった
人との会話や
ラーメンをすすることや
普通に誰かと歩くことや

そんな、何気ない一つ一つが
もう、アタシにはできないかもしれない
ということが ヒシヒシと湧き上がる

あきらめと折り合いの中で
これからの人生を明るく、楽しく
ごきげんに生きていく力が
アタシにあるだろうか

表向きはなんでもないように
振る舞っているけど
それでどんどん
辛くなって行きはしないか



それでも日々は過ぎていく
周りはどんどん過ぎていく

アタシのことなどお構いなしに
なにごともなかったように

ガブちゃんに意識を向けていれば
そこに集中していれば
まだ、その世界しかみえなくて
それにだけ対処していればいいけれど

それだけじゃない世界が
すぐ隣りに走っていて

そこでアタシも生きていかなきゃいけない


そう、そこで
アタシは生きていかなきゃいけない


きれいなものをみてきれいと思い
素敵な音を聞いて素敵と思い
屈託なく笑ってあほみたいな冗談をいい
美味しいものを美味しいと
食べられる日がまたやってくるのか


そんな不安がやってきては去り
またやってきては去る

そんな毎日だった

また暗い話になってしまった
ほんとにアタシは根が暗い

でもね
きっとね
なんだかね
いつかはね

きっとね

重い
重い
重いってまた思われるんだろうな

そんなことを思いながら

だってそうなんだもん
仕方ないやんと

自分で自分を慰める日々でもあった

でもね
きっとね
なんだかね
いつかはね


ほんとかな?

うん、ほんと
だいじょぶさー


いったりきたり
いったりきたり

でも腹を決めて
明日はU先生に会いにいくぞー!


A先生のセカンドオピニオンのあと
腹が決まってU先生に送ったメール


Uさま

滝川です。
6月6日(月)午前11時30分の
初診外来の予約が取れました。
どうぞよろしくお願いします。

5月30日にC大で確定診断をいただき、
食道胃接合部がん 4cm  
T3N1M0  ステージ3とのことで
手術を勧められました。

また、本日、
国立がんセンター東病院の放射線治療科 
A先生のところに
セカンドオピニオンに伺いました。

やはり、食道胃接合部がん、
バレット腺癌であることから
放射線や陽子線治療よりも
手術を勧めていただきました。

術後の暮らしのQOLの点からなんとか、
切らない方法を探っていましたが
これではっきりと覚悟が決まり、
上野先生に胃温存回結腸再建術を
お願いしたいと思っています。

この1ヶ月、
たくさん勉強し調べた中で、
食がんリンクスの
OさんとU先生のお話に出会い、
この方法に、
この命をあずけようと思った次第です。

当日の限られた時間を有効につかう意味で
これまでの経過や、現在の状態、
私自身のことや治療方針などを
添付のPDFにまとめてみましたので
もしお時間が許せば、
ざっとでも構わないので
一読いただければ幸いです。

いつか先生やチームの皆様、
また食がんリンクスの方々にも
恩返しができるようしっかり
治療に専念する所存です。
何卒よろしくお願いします。

滝川ムウ


教訓
:びびったっていいじゃない人間だもの
:やりたいことは全部やろう
:会いたい人には連絡をしてみよう
:自分の弱さに向き合うことも大切?



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