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10【ともだちってなんだろう】

ガブちゃん確定宣告を受け
ジェンダー告白をした翌日

5月1日、新月


月の始めであり、新月
実はムウは生まれた日も、新月
だから前から新月は特別な日

この大切な日に
どういうわけかムウは
スウェットロッジを企画していた


去年の夏に長南町の場所を引き継いで
HOCA スコーレと名付けたその場所で

そこは学校だった

たんぽぽのタネのように
そこにすいよせられた子供たち
心のこもった大人や仲間に見守られ
水と空気と太陽から養分をいっぱい吸収し、
芽が出て、花が咲き、実が落ち、
タネとなってまた飛んでいく

そんな場のサイクルやエネルギーを
絶やしてはいけない気がして
ムウが引き継ぐことにした

そこで行う初めての自主企画
もうずいぶん長く入っていなかった
スウェットロッジをする流れがきた

もしかすると
最初で最後になるかもしれないという予感

誰と一緒にスウェットを囲みたいかと思った時

なぜか出てきたビジョンは
ムウが最期の時を迎えて

あとのことはどうかよろしく

と伝える場面

すごく平穏で静かで、
あったかい眼差しに囲まれ
幸せに満ち満ちている

その場にいてくれたら嬉しいなと
ムウが思えて、その人にとっても
いまなんじゃないかと思える人に
直感的に声をかけることにしてみた

ムウは

誰かを”友達”と呼ぶのが怖い

だから仲良しグループのようなものには距離をおき
一匹狼のようなポジションで、
人との関係はサシで取るようにしてきた

そんなムウもいっときだけ
徒党を組んでいた時代がある

そう、ヤンキー時代
毎日、一緒にいる十数人の”ツレ”がいた
そいつらのためなら命をかけてもいいと
おもってたぐらいの家族以上のツレが

ムウの家が溜まり場になって

朝から晩までみんなで遊んで食って寝た

だけど4年ぐらいたったある日、

突然、誰もムウと話をしてくれなくなった


無視だった


それも完膚なきまでの

全員からの無視

だった

何年も親や家族よりも大事に思っていた
仲間にわけもわからずに捨てられた

無視されても無視されても
ムウは食らいつこうとした

痛いやつだった

そしてほんとに痛かった

心がめちゃんこ痛かった



だけとムウには
そこしか居場所がなかったから
ねばってねばって食らいついて
なんでもいいから理由が知りたいと
ある日、無理やり全員に集まってもらった

理由は ジェンダーがらみのことだった
ある仲間の一人がムウを

ホモだと断定


全員に無視のお触れを出していた

彼らに対してなにかをしたわけじゃないし
そんな部分を一切見せたわけでもない
ただの風の噂だった


ショックだった。。。

そんなことで。。。。

だけどムウの中にそんな部分がないわけじゃない
どこかで漏れ出ちゃってたのかもしれない
消せない匂いのようななにかが

そこで、

ムウの”人との関係”は
途方もなく迷子になって
どこにも行きつけなく、なっていった


あの頃のことを思い出すと

いまも胸の奥がキリキリする


話がそれた

だからムウは
特定の友達をつくるんじゃなく
出会うすべての人とできるだけ分け隔てなく
そのときの精一杯の正直な自分で関わることに決めた
(このこととパンセクシャルは関係があるかもしれない)

そうするしかなかった

そうして人をいっぱい好きになった
そしてあんまり嫌いにならなかった

そんなふうに思ってたのはムウだけじゃなかったし
みんな多かれ少なかれ関係に痛みを抱えていた

もちろん痛みを補ってあまりある喜びと共に

だから、友達と呼べるかどうかは抜きにして
あーこの人とは一生、
なにがあってどんなその人であっても
逆にどんなムウであっても死ぬまで一生
つきあっていけるかもなと思えるような仲間はいる

勝手に片思いしてるだけかもしれんけど

朝、HOCAにつくと
すでに何人かは到着していて
ムウがまったく気を使う必要のないメンツで
焼き立てのパンの匂いのような
あったかい雰囲気が漂っている

嬉しい
この日、この時にこの場があるというミラクルが

いやぁこんなことってあるのね

予知とか予言とかわからんけど

どっかできっとつながって

全部、すでにきまっているんやね

そして
このとき、ムウは心に決めていることがあった

それは今回はムウは

スウェットロッジの中には入らない

ということ

外で火の番をしながら
みんなの生まれ変わりを見守る産婆さんになると

自分で誘っといてそれはありえないでしょ
ってもちろんそれはそう

だけど、いまのムウの状態で入ることで
迷惑をかけることになったら最悪

同時に、ムウのガブちゃんが
暴れ出すことがなにより、怖かった

そう、
4月25日の胃カメラの日と
4月30日の検体の結果をききにいった日に二回
ムウは先生にきいていた

あのぉ 
サウナみたいなイベントの企画をしてるんですけど
入っても大丈夫ですかね?(25日)

あのぉ
しつこいようですけど
やっぱり暑いサウナとか入ったらダメですかね?(30日)



もちろん答えは

そうですねー 

やめておいたほうがいいですねー



わかってる
わかっててきいてる

入ることにビビってるから聞いてる
入らなくていい言い訳をつくるために聞いてる

どこかそれでホッとしてるムウがいたのも事実

いま、無理をして入ることにビビってる

得体のしれない”病い”というものに
根拠なくビビってる 

あービビってる


ルウにも朝、
ムウは入らんことにしたから と伝えて家を出た

集まってくれたみんなに申し訳ない
いいだしっぺでムウが誘ったから来てくれるのに
ムウがおらんとか
ムウの誕生日に誕生会を企画してくれたのに
当の本人、登場しませんでしたっていうぐらい
変な空気になるかもしれん
(その昔そんなことをしたこともあったな)

いやいや、そんなこともない
ムウが入らんかったからって別にかわるわけじゃなく
逆にもしかしたら近い将来、
ムウはこの世からいなくなってるかもしれんわけで
そんときにムウ抜きで
関係性をつくってくれたほうがいいもんねー

(ムウの大好きな人たちばっかりやから
それぞれでつながってほしいともおもってたのは事実)

とかなんとか思いながら

ムウは今日は入らない と決めて

その日を迎えたのでした

でもね、でもねでもね
基本的にはムウは自分が迷った時、
500円玉の神様に選択を委ねることにしてるねんけど

ガブちゃんがわかって
スウェットどうしよう?ってなったときに
迷って決められへんかったから 投げましたよ

天に向かって
500円玉を

いつものように3回

そしたら見事に3回連続で

”もちろん入るでしょ”
”いまだからこそ入るでしょ”
”やった後悔よりやらない後悔でしょ”



と出ましたよ

おーいいい

そのご神託を蹴ってまで
入らないのかー!!うち!?

それにそむいていいんかーいい? ムウ?

ということで
また長くなってしまったので
つづきは次回ということで


教訓
:思い通りにいかないことを楽しもう
:ご神託を信じられる自分でいよう
:無視されても自分が原因じゃないかもよ


*写真は本文とは一切、関係ありません
これはメキシコのとある小さな街のレストランで
スペイン語が全く読めずテキトーに頼んだら出てきた料理
日本でいうならば ”ライス 大” のみ やったみたいで、、、
もちろんご想像の通り、全く味がなく、
めっちゃお腹空いてたのに半分も食べ切れないのでした、、泣

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