歌詞が書けない話
ミュージシャンにも色んなタイプがおりますが、曲を作るにあたり「メロディー先行派」と「歌詞先行派」の2タイプに大きく分かれます。
僕はメロ先で鼻歌を拡大解釈することにより曲を作っていくタイプで、イントロや間奏、ギターソロまで鼻歌から広げます。
なので僕のスマホは鼻歌でいっぱい。ヤバめなデータフォルダです。
歌詞については初期段階ではデタラメ英語を用います。そうすることによりメロディーの乗り方が優先される訳です。
で、本格的な詩作に入るのは最後の段階となります。
メロディーの質感や構成のまとまりを考慮しながら、それに適したテーマや語感を選んでいくのですが、これがとても骨の折れる作業なのです。
特に僕はストレートな表現はあまりしたくない性格で、歌詞を練るときは基本的にダブルミーニング。調子のいいときはトリプルミーニングぐらいまで書かないと気が済みません。
また、聴いてくれる方への余韻を作る為に断言的な表現は極力排除したいと思っています。
そんな自己ルールに縛られてしまったが為に歌詞を書くのがとても遅くなってしまうのです。
あと僕が言いたいことは他のミュージシャンがベストな形で言い尽くしてしまったというのもありますし、RCサクセション・エレファントカシマシ・SION・高田渡といった方々の言葉の組み方にどう足掻いても敵わないのです。
だからこそ、僕は平々凡々とした風景をベースに諸問題についての問題定義を隠し味として織り込むようにしています。
そこにユーモアが盛り付けられたら完璧です。
抜本的なテーマは時事問題や政治的なものが多いのですが、この数年は世の中が大きく変わりつつあり、目まぐるしい変化に詩作の対応が出来なくなっています。
歌詞に関しては相当に遅筆となりました。困った。
僕とは逆のタイプに歌詞先行の方もいます。
ここは歌詞のストーリーが明確なので、曲の構成も様々な展開が可能となります。
歌詞と展開がリンクすることで聴き手にも曲の印象がしっかり伝わるのですが、それこそ作詞のセンスが問われる手法だと思います。
最近、歌詞が書けていない僕は現状を打破すべく歌詞先行スタイルに挑戦しました。
ペンと紙に向かってアイデアが降りてくる時を待ちます。
待ちます。
待っています。
待ち続けます。
仮眠したのち再度待ちます。
脳を和らげる為にビールを飲みます。
ビールを追加します。
無くなったのでコンビニにビールを買いに行きます。
新商品のお酒を見つけて買って帰ります。
飲みます。
飲みます。
飲みま
飲み
飲
zzz...
朝起きるとノートには「保冷剤」と一言書き残されておりました。
この保冷剤から広がるストーリーがあったのかもしれませんが、僕はもう何も覚えていない。
とても勿体無いことをしたと反省し、あーでも無いこーでも無いと曲作りに勤しむ日々です。
人生は実験の積み重ねですね。
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