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「全国クラス」の野球場、ようやく山陰に 谷繁さんが3連発の浜山球場改修 野手の能力や技術、連係の精度向上も期待

 山陰両県内にようやく「全国クラス」の野球場が誕生する。島根県が県立浜山公園野球場(出雲市大社町北荒木)の外野を両翼98メートル、中堅122メートルに改修する計画で、内野スタンドの観客席設置を含めて2024年秋に着工し、26年3月の完成を目指す。公認野球規則で望ましいとされる広さを超え、野球関係者は全国で勝負するための野手の能力や技術、連係の精度向上につながると期待する。

 かねてからの要望に加え、30年に県内で開く「島根かみあり国スポ」の硬式野球会場になったことから改修を決めた。

 外野スタンドを縮小して拡張分を確保し、フェンスの高さは40センチ高くして約3メートルにする。内野スタンドは芝を取りやめて観客席を設ける。収容人数約1万2千人は変わらない。改修費は概算で約5億円を見込み、補助率5割の国の社会資本整備交付金を活用する。工事に伴い、25年度中は使用できない。

 公認野球規則によると、両翼97・534メートル、中堅121・918メートル以上が望ましいとされる。全国に比べると、島根、鳥取両県の球場の狭さが際立つ。

 例えば、春夏通じて甲子園優勝がない計12県の今夏の地方大会開催球場で比較すると、公認野球規則の両翼、中堅の長さを満たした球場がないのは島根、鳥取だけ。山形や新潟は5球場全てが規格を満たし、秋田は両翼100メートルの球場が三つある。島根大会の浜山球場や、鳥取大会のヤマタスポーツパーク野球場(両翼92メートル、中堅120メートル)と差がある。

https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/615176

 浜山球場がリニューアルという話を聞いたとき、あの、管理棟なのかトイレなのかよくわからない六角形の塔が球場本体と橋でつながっているユニークな姿がなくなってしまうのかと危惧したが、それでも広く近代的な球場になれば良いと思っていた。

 果たしてエントランスはガラリと様変わりしたものの、外野は狭いままという期待と真逆な結果となった。

 それが今回ようやくいよいよ近代的な球場になるという。島根の話なのになぜか「山陰」で一括りにされ、鳥取まで一緒に偉業達成みたいになっているのかよくわからないが。これは両者の結びつきの強さだろうか。

 しかし収容数は変わらないという。外野を広げるのに収容数が変わらないという事は、内野スタンドを増席して補うという事だろうか。この際プロ野球の一軍公式戦が行える仕様にしてしまったらと思うが、なぜかギリギリのところで妥協してしまうのが山陰らしいと言うか。明確な規定があるわけではないが、過去の実績からすると収容数15,000人が暗黙の条件になっており、近年はもう少しハードルが上がっている気がする。山陰の人口密度からそうしているのかもしれないが、いざプロ野球となれば15,000人くらいは集まりそうなものだが。

「プロ野球の一軍戦ができる球場はあるけど広い球場がない」のが山梨と鳥取。逆が三重と奈良。唯一「両方ない」のが島根だった。これがなくなる事で日本の野球場界のランクがひとつ上がった感がある。

 このエポックを最も活かすのが「独立リーグのチーム」ができる事だと思う。こういう話をすると必ず人口がどうのという人がいるが、独立リーグの成功ラインとされる数の観客を集めるのにどれほど人口が問題になるだろうか。むしろ娯楽の多い大都市の方が不利という見方もあるくらいだが。

 Bリーグのチームの好調ぶりを見ると、この地域の人たちは「地元のチームを応援」したがっているんじゃないかと思う。地域によっては「独立リーグのチームじゃ満足できない」という反応はあるだろうが、山陰はインディーズ野球向きな土地という気がする。浜山球場がキッカケになれば良いのだけど。

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