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県営球場再始動へ/24年度に検討委/青森県

 青森県は、2024年度早々に県営野球場整備基本計画策定支援業務を発注する。第1四半期(4-6月)に(仮称)県営野球場整備検討会議を立ち上げて、選手・観客目線で必要な機能や球場仕様、現状の課題などを議論する。業務は会議の運営を支援するほか、議論内容・提言を踏まえて建設予定地の妥当性や収容人数、規模、構造、スケジュールなどをまとめる。25年度下期までに基本計画を成案化し、民間活力導入可能性調査業務の発注を視野に入れている。来年度予算案に計画策定費3695万円、会議開催費174万円を計上した。
 青森市安田近野234-7の総合運動公園内にある既存施設は、1967年度に完成した。老朽化を踏まえて東北自動車道青森IC東側に移転を決めたものの、工事に向けた発掘調査で三内丸山遺跡が見つかったことを受けて92年度に計画を中止。11年度に策定した県スポーツ振興基盤整備計画で、陸上競技場を最優先に水泳場と野球場も同市宮田高瀬22-2にある新総合運動公園内に移築する方針を定め、19年度に新競技場、昨年11月に新水泳場を完成させている。
 当時の基盤整備計画では、新野球場を国民体育大会やプロ野球1軍公式戦が開催可能な仕様とし、中堅122m以上、両翼100m以上、スタンド収容人数は2万5000人以上、うち固定1万5000人以上の規模を想定していた。建設予定地は新総合運動公園内北東側にある緑化広場位置約5.6ha。

https://www.kensetsunews.com/archives/931918

 弘前市の「はるか夢球場」が2016年にNPB一軍公式戦に対応できるようになって、東北6県すべてに「プロ野球ができる球場」が揃った事で、何気に東北凄いよなと思う反面、心のどこかに引っ掛かっていたのが「青森県営球場」の存在だった。
 この球場には「三内丸山遺跡のせいで建て替えができない球場」のイメージがこびりついており、たまに勝手に「野球をやって良いのかどうかわからない球場」にイメージが書き換わってしまう事もある。ちなみに現在は落雷のせいでスコアボードが使えないらしい。
 球場のスペックについてこれから議論する、という事だが、大舘樹海ドームとか、シェルコムせんだいのような中途半端なスケールの「野球も一応できるドーム」は割と造られるのに、なぜ「プロ野球に対応したドーム」はできないのだろう、と思う。
 別に東京ドームや福岡ドームのような凄いものは必要なく、20,000人規模の、文字通り「屋根と空調があれば良い」という機能優先のドームがあったらと思うのだが、そういうものは日本にはない。ソウルの高尺スカイドームが開場した時は「先を越された」という思いだった。もっともあのドームは色々欠陥が指摘されてはいたが、何かの工場のような武骨な雰囲気は機能優先という感じで結構好きだった。
 別にショッピングモールのような施設とか色々詰め込む必要はなく、機能的にミニマムなドームこそ東北に必要だと前から思っていたのだが、実際そう認識されていたのか「つがる克雪ドーム」なるものができたと聞いたときは胸が躍ったが、大人の硬式野球ができる代物ではないと知ってがっかりした記憶がある。
「プロ野球チームが本拠地にしないレベルのドーム」というと、実は2016年10月に鹿児島県知事が「意欲を示した」事があったし、今でも浜松で色々物議を醸しているのは野球場界で結構知られた話。
 そんな風に「話が出て来る」程度には現実味のある話なので、それがもっとも必要と思われる東北ではもっと議論されて良い気がする。「つがる克雪ドーム」みたいなものは平気で造るのだから。ちなみに温暖な鹿児島でなぜドームが必要なのかというと、「火山灰から守る」ためらしい。色々事情がある。

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