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工事請負契約の締結

先々週の土曜、家プロジェクトでお世話になる面々が佐久平市の工務店事務所に集結した。工務店さんおよび宮大工さんとの工事請負契約である。

地元愛と自己愛に溢れる経験豊かな工務店さん、先日ダイニングテーブルの板を探しにいって以来の宮大工の高崎さん、建築士の川口さん、そして私、と初めて全員が顔合わせをした。

当日も不安だったが、川口さんと高崎さんがサポートしてくださって疑問点は全て解消することができた。コロナのため契約実務をオンラインと郵送で対応することも視野に入っていたが、会いにいって正解だった。不安は信用に変わった。

この後に及んで往生際の悪い私

この日を迎える一週間前、とある出来事によって全員が予定外の対応を迫られることが起きた。皆さんの経験と調整力によって、問題は解消されたものの、私はといえば一抹の不安は勝手にピークに達し、メンタルはぐらんぐらん揺れまくっていた。

日中は仕事でバシバシMTGを入れたりアウトプットを出すことに集中するようにしていたけど、ふと一息ついた時に、皆さんが私のためにご自身の当初の予定を変更して対応してくださってることが有り難かったり、申し訳なかったり。こんな気持ちなら、一旦は計画を中止して、少し時間を置いてから再開しようかな・・・そんなことも頭の中をよぎった。まぁ私が腹を決めればいいだけの話なんだけど。

一番の不安は・・・

発生したとある出来事はさておき、それが引き金となって、私はこのまま進めて大丈夫だろうかと急に不安になってしまった。この工務店さんで本当によかったんだっけ? 工事中に想定外のことが起きたら?それって私が全額負担するの??  知らないって、本当に厄介だ。

悩みの種は、いろいろあるが大きなものがお金である。

というのも、家づくりを実施するために想定していた予算を大幅にオーバーしているのだ。そもそも試算をしていなかったので、オーバーと言う表現は不適切かもしれないが、それでも想定を超えていた。

この1〜2ヶ月、川口さんと工務店さんが減額案を練ってくれた。川口さんとの定例で、その説明を受けながらこれは諦める、これはこっちの案にする・・・と、私も短期間で判断してどんどん減額案を詰めていった。

もっとも・・・デザインを変えれば、もっと大幅に減額できる。築100年なんて気にしないで、柱も梁も残さなければ減額できる。別の工務店に発注すれば減額できる。・・・・いやいやこれがなかったら家建てる意味ないから!と自分を鼓舞しつつ、自分軸を残した最終案で納得をしたはずだった。

職業柄、お金の話は家づくりの話より得意・・・なはず。いや得意だ。予算を超えたといっても、豪邸の建設ではないので、金額についてはわたしのライフプランニング及びマネープランニング上も問題ない範囲である。銀行にも相談していて、ローン計画にも支障はない。頭の中ではちゃんと納得している。

それでもちょっとしたことがきっかけで、急に不安になる。自分のこととなると、そして経験してないこととなると私も弱いもんだな。情けない。

建築士は大変だよ

今って家づくりの何合目なんだろう・・・いづれにしても、建築士の仕事も大変だと思う。

工務店との請負契約を前にして、現状の予算に対してより納得性を高めたいと言い出した私。予算以外にも不安バイアスを抱えている。説得じゃなくて、納得させてくれなんて言う。・・厄介ですね。

ただそんな私に対して、川口さんは今回も誠実な対応で課題解決を目指そうとしてくれた。

既に打ち合わせで説明をしてもらった観点(デザインの特性、寒冷地仕様、ウッドショックの影響など)についてはファクトを交えて再度丁寧な説明を、それとは別の2つ3つの観点からも経験とファクトに基づいた検証と分析をしてくださった。

説明メールや資料を読んだり、mtgで説明を受け、データを自分でも確認するうちに私の過度な不安が和らいでいった。仕事で提案を受けるのと同じようなフラットで冷静に向き合うことができた。(設備と同じで自分でしっかり納得したいんだなと改めて)

家やマンションを購入したりリノベしている人は、みんなこうして向き合ってきたんだと感心したし、川口先生もこんな顧客ばっかりだったら大変だろうなとつくづく思った。予算戦ったとか偉そうに書いたけど、私なんて判断しただけで案を練るのは建築士と工務店だから。

経験豊か、個性はもっと豊かな某工務店の社長

さてそんな一週間の締めは工事請負契約。

待ち合わせより早く佐久平駅に到着し、向かったのは草笛。

くるみ蕎麦が食べたくて。あんなに不安がっていたのに、現金なものである。

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餡を麺つゆで溶いていくタイプのよう。味の変化を楽しみつつ、今度は小諸本店だな...と思いを馳せる。(工務店のI社長に教えてもらった翡翠そばも食べにゆきたい。メモ)

待ち合わせの時間になって、駅前にみんなで集合した。

工務店のI社長は、事務所までの数分間、車中で地域の説明など簡単にしてくれたのだが、その話し方とトーン、内容からして、お人柄がなんとなく分かった。私一人では心細いが、川口さんや高崎さんがいてくれて良かった。

社長は事務所についてからは私の疑問や質問にも丁寧にわかりやすく説明をしてくれた。その内容が一般的なのか、それとも他と比較して丁寧できめ細やかな対応なのかはわからない。ただこうした契約時にはやはり対面が良いのは確かだ。

ハイコンテキストのやりとりは、経験や実績、安心感を文字の説明以上に感じることが出来る。

ご自身のキャリアや作品も伺ったりして約2時間の打ち合わせが終わり、分厚い契約書一式にサインして押印した。

来月はいよいよ工事が始まる

社長の運転で、久しぶりに予定地に向かったら、雑草家の周りや庭が雑草だらけだった。

緑が生い茂っていて、やっぱり一部の木は伐採しないといけないし、こりゃ草刈りが大変だなと思った。庭にはたくさん花を植えたいなと思っているが、北側の小屋の前にはマーガレットがたくさん咲いていてきれいだった。

この土壁の小屋は解体しないで、そのままにしておく予定だ。来年もまたマーガレットが見られるのかと思うと今か楽しみだ。

そういえば建築士川口さんが説明した「工事管理方針書」には”計画の特徴”に関する記載の中に、「好きなものに囲まれて暮らすための大きな棚と一定となった階段」という表現があった。なんだか有難い。棚の中身も充実させたい。

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