入浴介助加算に何を求めるのか
こんにちは、白紫菖蒲です
今日は新設された通所介護のおける入浴介助加算の区分について書いていきたいと思います
通所介護施設(高齢者デイサービス)における入浴は、ご自宅での入浴が困難な高齢者の方に対して、清潔の保持や新陳代謝の促進、身体を温めることによってリラックス効果を目的としています
従来の通所介護施設での入浴介助加算は、50単位/日でした。地域によって単位数は違いますが、大体の地域が
1単位=10円
50単位=500円
となりますが、介護保険を使うと1~2割が自己負担になりますので
実質、ご利用者様がお支払い頂く金額は
入浴一回につき、50~100円です
入浴だけの金額ですと、街の銭湯や、昨今の電気代値上げを鑑みてもリーズナブルな価格という印象がありますよね。そして何より、言葉を選ばずに申し上げるなら、自分のことは自分で出来ますよという方と、すべてに置いて介護士の手が必要な方と単位数は同じです
介護の仕事を始めた時に、衝撃を受けたのが入浴介助加算でした
お風呂という場所は、高齢の方にとって脱衣所と入浴場の温度差が激しいと倒れてしまうこと(ヒートショック)があったり、裸の状態で転倒すると大怪我になったり、大浴場では掴まる所が無いと浮力によって体が浮いてしまい溺れる等、日常の生活の中でも最も危険な場所なんです
介護士にとっては、最も気が抜けない場所になるんですよね
そういった事を含め、重要なのは「自宅での入浴が困難」という部分です。今までは、自宅でもお風呂に入れるけど、介護施設で入れるなら、その方が安全だからという理由で入浴をされていた方や、自宅では全く入れないので介護施設を利用するという方もいらっしゃったと思います
そして、令和3年の介護報酬改定により
入浴介助加算(Ⅰ)と入浴介助加算(Ⅱ)が新設されました
難しいことはここでは控えますが、簡単に言うと
入浴介助加算(Ⅰ)は、今までの入浴とは何も変わらずに50単位が40単位に引き下げられました
入浴介助加算(Ⅱ)は、55単位ですが、ご自宅を訪問してお風呂場を見せて頂き、ご利用者様のご自宅での入浴動作や入浴環境を確認し、リハビリの先生と共同して個別の入浴計画書を作成し、ご自宅の入浴環境と近い状態で入浴介助を行い、評価をする
もし、一日に100人のご利用者様が利用される通所介護施設で全員実施をする場合、100人分の自宅訪問と入浴計画書、ご自宅に近い入浴環境を施し、100人分の評価をする
もう、現場を離れたので私の頭の中だけですが、入浴計画書の目標には恐らく「自宅で安全に入浴が出来る」ことが入ってくると思いますので、施設での入浴を卒業してご自宅で入浴が出来るという形が現実的ですが…
それは、誰が望んでいることなのでしょうか
本人?家族?介護士?それとも…
個浴、大浴場、機械浴も経験してきましたが
入浴介助の醍醐味は
「寄り添う事を一番に学べる場所」
「見えない部分での情報収集」
と、思っています
洋服の下には、沢山の情報が詰まっています
怪我や打撲、虐待の可能性があれば介護士は報告の義務があります。服の着脱でその方の運動機能も分かりますし、ご自身の服かどうか、着る順番で認知機能の評価も出来ます。
そして、一番近い場所で介助を行いますので、普段聞くことが出来ないお話しをお聞きすることが出来ます。それは、小規模でも大規模施設でも同じ事です。
単位数や自宅訪問では得られない、介護士としての在り方を問われる場所が入浴です。
コロナ渦で、入浴制限をしている施設や、介護士は長時間のサウナ状態でマスクの着用をしなければなりませんので、以前に比べると過酷な状況ですが、その中でも、寄り添う事を忘れずに、安全に入浴介助が行えることを願っています。
本日も読んでくださり、ありがとうございました
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