見出し画像

プレゼント

こんにちは、白紫菖蒲です。
今回は、私の経験したお話しを書いていきます。

高齢者デイサービスで勤めていた時
80代の男性ご利用者様、お一人暮らしで
ほぼ自立した生活を送られていました

ほぼ、自立状態ですので
要支援認定でしたが
身体能力が衰えないように運動を目的として
デイサービスを利用されることとなり

奥様もいらっしゃいましたが
要介護5にて同じ敷地内の
特別養護老人ホームに入所されており
利用時は面会を楽しみにされてみえました

自転車を漕ぐ運動(エルゴメーター)がお好きでしたが
施設には一台しかないため
いつも順番待ちをされてみえましたが
他の方に遠慮され、怒ることもされず
穏やかな方で他のご利用者様からも人気がありました

施設から20分ほど離れた場所に
ご自宅がありましたので
お迎えは最初、送りは最後
私は運転をしながら沢山お話しをさせて頂きました

小さい頃、家畜に餌をやっていたこと
勉強が好きだったこと
大学に進学するときに悩んだこと
戦争のこと
仕事で海外に行った時のこと
ホームステイ先でお世話になったこと
エアメールで届いた若い頃の手紙と写真のこと
奥様と旅行に行かれた時のこと
卓球が好きだったこと

ご自身のお話しをされるときは
他のご利用者様が降りられた後でしたので
二人だけで、お話しの最後にいつも

「でも、一人は寂しいな」
と仰ってみえました

それから数回、ご利用されたのち
いつもと同じようにご自宅までお送りしていると

「いつまで生きられるか分からんから
 生前贈与をした」
「あなたにはいっぱい世話になった」

そう仰られたあとすぐに、体調が悪くなり
入院後、天国へ行かれました


数日経ったあと、そのご利用者様から
施設宛てに荷物が届きました

段ボールを開けると
中には、エルゴメーターが入っていました

きっと、天国で笑いながら
これで順番待ちが減るだろ?と
仰っている姿を想像しながら
有難く使わせて頂きました

私の父も亡くなる前に
「遺言書を書く」と急に言い出し
公正証書を残していきました

遺言書があると財産が多いと思われてしまいますが
公的な効力のある文書になりますので
相続や名義変更も
スムーズに終わらせることが出来たことを
今は感謝しています

遺言書もお葬式も
残された親族の為に
あるものだと思っておりますので
自分がもし、死期を悟ったとき
遺言書を書いていこうと思います
感謝を込めて、ね。

そんなお話しでした
本日も読んでくださり、ありがとうございます

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?