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海外駐在経験シリーズ (1)NY編

折角NOTEに書くのであれば、自分の経験談を素直に書いてみることも必要かと考えました。

昔の話となり、自分の経験がどの程度お役に立つか分かりませんが、NYは初めて赴任した場所ですので、当初は苦労もありました。思い出しながら書いてみます。

私は、1997-2002までNYの現地法人に駐在していました。もう25年以上前に
なります。担当領域は、人事・総務主業務のマネジャーとしてまた、経理・システムも兼務していました。チームメンバーは人事・総務Gは私を含めて6名です。

第1回目は、赴任した数か月であった印象的なことを書いてみます。

1.現地社員は、自分が採用したボス(上司)に強い忠誠心がある
 ご承知の通り、米国では雇用の流動化が進んでいて、採用活動は自分の
 業務の1つとなっていました。人材派遣会社から募集しているポジションに合いそうな履歴書が送付され、数名に絞って面談した上で採用要否を決めていきます。

 確かに時間をかけて最終的に採用を決めてくれた人に忠誠心を感じるのは至極全うなことです。一方、社員とすれば、上司が変わったタイミングというのは自分の不満や要望を伝える絶好の機会でもあります。正に自分も
変わったタイミングで処遇の改善等の要望を受けた経験はあります。

2.現地社員の給与水準を上げようと努力はしたが報われなかった
 私の前任者から聞いてはいましたが、当時の給与水準は低かった社員がいました。着任して1か月ほど一緒に仕事をしていましたが、勤務態度も真面目でこの金額は生活も大変ではないかというほどの金額でありました。

 水準調整をしようと当時の私の上司にも相談しましたが、「水準調整の根拠も曖昧でそんなことをしたらみんな給与上げないといけなくなる」ということで承認されませんでした。結局、その社員は退職していきました

 冷静に考えてみると、その当時の上司の判断は正しかったと考えました。
自分は、まだ人を説得するだけの材料も根拠もなく、自分のグループの運営が回らなくなることばかり気にしていたかもしれません。

 教訓としては、給与の水準調整という前に、社員のパフォーマンスや組織貢献度を確りと見極めた上で、客観的事実を集めて上司に相談というステップが必要であるということを学びました。まだ自分も若かったことがあり、思慮不足でしたが、この経験は今でも活かされています。

3.キーパーソンが退職後、1か月以内に全員退職した経験
 この経験は、日本ではまずあり得ない事象と考えますので、自分としては驚きました。もう組織運営が成り立たなくなるほど、ギリギリの環境に
追い込まれました。
 退職理由は直接は分かりませんが、おそらく前任者と比較したら、頼りなかったのではないでしょうか?不満はあったのかもしれませんが、グループのキーパーソンが最初に退職するということを聞いてから、続々と退職したいとの申し入れがありました。

 何もかもが未経験のことで、その時は早く採用活動して人を確保することに注力せざるを得ませんでした。当時の気持ちとしては、自分の力不足で
何もできなかった点で、正直残念・無念な気持ちでした。

 マイナス面ばかり見ていても何も変わらないので、気持ちは切り替えていきました。幸い採用活動は上手く進み、退職者の穴を埋めるための人材は確保できました。

 雇用の流動性が高いアメリカですが、まさか自分の会社の担当する小さなグループがその渦にいたとは思いませんでした。その後は、自分が採用した社員は長く働いてくれましたので感謝、感謝の気持ちを持って一緒に仕事していました。

 

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