見出し画像

「私は難しい問題を解くのが仕事です」石川善樹さんに学ぶ、疲れない脳のつくり方とは

「人がよく生きる(Good Life)とは何か」という壮大なテーマに対して、人がより良い人生を送るために生まれた新しい価値観「Well-being(ウェルビーイング)」の概念を問い、研究を続けている予防医学研究者の石川善樹さん。

近年、健康経営や働き方改革などが進み、ビジネスの現場でもウェルビーイングの重要性が認識され始めたことから、ウェルビーイング研究の第一人者である石川さんへの相談やイベント登壇を依頼する人は後を絶たないと言います。

そんな超多忙でありながらも、日々“考える”ことに向き合い続けている石川さんに、日々実践していることや、疲れない脳のつくり方を伺いました。

Ramune Method #03 石川善樹
血糖値を制すものは仕事を制す

画像1

石川善樹
1981年生まれ。予防医学研究者、博士(医学)。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。公益財団法人Wellbeing for Planet Earth代表理事。「人がよく生きる(Good Life)とは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、概念工学など。近著はフルライフ(NewsPicks Publishing)、考え続ける力(ちくま新書)など。

仮でもいいから答えを出して、"前へ進め"

ー 考えることが本業の石川さんですが、新著「考える続ける力」の中では「考えることに価値はない」という持論を書かれていました。とてもユニークだなと思いましたが、どのような背景からでしょうか。

「考えることに価値はない」と考えているのは、「実行」してはじめて価値が生まれるからです。限られた時間の中で価値を出すため、考える時間をできる限り減らし、実行に時間が使えるように心掛けてきました。

周りに対しては、「私は難しい問題を解くのが仕事です。そして必ずその場で答えを出します」と宣言をするようにしています。どんな難しい問題であったとしても、仮でもいいので答えを出します。どんな問題でも必ずその場で創造的な答えを出し、前に進んでいきます。もちろん、何度もその場で答えを出せず、悔しい思いをしてきました。そのたびになぜ解けなかったのか反省し、次に活かしてきました。

仮でもいいので答えを出し、意思決定し、前に進んでいくことは、私の覚悟の現れかもしれません。もちろん、まだ修行の過程ではありますが、そんなことをこの数年間はひたすら繰り返してきました。


ぶどう糖は血糖値をコントロールする"食べる点滴"

ー 難しい問題を解き、その場で答えを出すことを繰り返すと、脳は相当なカロリーを消費しそうですね。思考力を維持するために取り入れていることはありますか。

著書「疲れない脳をつくる生活習慣」でも触れていますが、血糖値を制すものは仕事を制すと考えています。超一流のスポーツ選手も、血糖値コントロールを非常に重視していると聞きます。

血糖値とは、血液中に含まれるぶどう糖の濃度のことです。血糖値は食事をすると上がり、健康な人であっても食事の前後で変化します。ぶどう糖は生命活動にとって欠かすことのできないエネルギー源ですが、なかでもぶどう糖をもっとも必要とするのが「脳」なのです。だからこそ、血糖値のコントロールが仕事のパフォーマンスを維持するうえでも決定的に重要になってきます。「糖をどのように摂取するか」が、脳のパフォーマンスを大きく左右するのです。

さらに、糖といってもいくつか種類があり、体内に吸収されるスピードも異なります。血糖値の急上昇・急降下はカラダにも脳にもよくないので、低GIとよばれる適度な吸収スピードのものを選ぶと、血糖値のコントロールもしやすくなります。

私の場合、特に血糖値が下がりやすく、下がると無気力になってしまうので、ぶどう糖を定期的に摂取するようにしています。よくちまたでいわれるように、まさに「食べる点滴」のようなイメージですね(笑)

私は、物事を考えるときに、語源や原点を参考にしていることから、森永製菓さんの原点も調べてみたんです。

元来は和菓子しかなかった時代に西洋菓子を持ってきた会社でした。その後、発売された「森永ミルクキャラメル」は、パッケージにも“滋養豊富”と書かれているとおり、ひとを「元気」にする商品でした。

森永ラムネも、元々は液体ラムネの爽やかさで味わえるお菓子を作ろうというところからスタートしていますが、ぶどう糖を使用する事で爽やかな味わいとなり、元気も出ます。

おそらく、森永製菓さんのお菓子は「おいしく、たのしく、すこやかに」という想いがベースにあるんでしょうね。ハイパフォーマーな人たちが森永ラムネを選んで食べているのも、そういった理由なのかもしれません。


在宅ワーク時に"生活リズムを作るスイッチ"

ー コロナ禍の今、在宅ワークが中心の人が増えています。自宅で仕事をすると「集中できない」という悩みを抱えている人も多いと思いますが、そのような状況でもパフォーマンスを維持するコツはありますか。

私も在宅ワークが中心になりましたが、在宅になってから時間ができたので、考えたかったけど考えられなかったことが考えられるようになり、その点ではありがたいなと思うことはあります。しかしその反面、我が家には5歳の息子がいて、「仕事を邪魔しに来たぞー!」と乱入してくるので(笑)、仕事の時間が分断されることもしばしばあります。

こういう状況では、一人でも家族でも、何か「生活リズムを作るためのスイッチ」があるといいかもしれません。会社勤務の時は通勤や、会議室と執務室の行き来など、自然と切り替えのタイミングがありますが、在宅だとそれがありません。

ぼくの場合は、仕事部屋に森永ラムネを常備し、切り替えのスイッチにしています。まだ子どもには試してないんですが、大人も子どもも、森永ラムネを食べると仕事や勉強モードに入る、という共通認識を作っておくと、家族間のコミュニケーションも取りやすくなるかもしれませんね。

身近なものを上手く活用しながら、まずは自分なりの切り替えスイッチを作ることから始めてみるのはいかがでしょうか!?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?