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連載小説 星のクラフト 12章 #9

 結局、その日の夜に例の接続ポイントで待ち合わせをして、一人ずつ、下に降りて軽く調査をし、再び戻って来ることができるかを確かめることにした。
 方法は、最初にランが0次元に降り、戻ったらナツが降りる。その最中に、できれば0次元にいるクラビスと連絡を取り、虚像以外の全員を0次元に戻す計画を聞いてもらう。賛同してくれたなら、手伝ってくれるだろう、
 そして、この最初のナツとランによる実験的往来が成功したら、まずは実像の家族を連れてきた隊員に話し、優先的に0次元へと戻す。それ以外の隊員については、0次元地球の状況を確認してから決めることにした。
「うまくいくかな」
 自分から言いだしておいて、ナツは気弱な様子を見せた。
「時間がないから、迷う暇はない。やれることをひとつずつ行い、うまくいけば次、またうまくいけばその次と実行する」
 やると決めたら、結果について考えずに、遂行すべきだ。ランはすでに自身がミッション中の意識状態に突入しているのを感じた。

 夜になり、予定通り、二人は接続ポイントで顔を合わせた。
 それからはもう余計なことは口にしない。
 クラビスから聞いていた通りに0次元へ向かう通路の蓋を開け、二人はひとつ頷き合うと、まずは、ランが0次元へと向かった。

(12章 了)

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