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MX4D『グリッドマンユニバース』の話する

はじめに

映画『グリッドマンユニバース』が公開されてから、早いものでもう3ヶ月が経つ。もうこのぐらい経つと、基本的にはどの映画も上映終了となる頃だ。
グリユニより公開が1週間早かった『シン・仮面ライダー』も既に6月4日に上映の終了が宣言されている。

そんな中で我等が『グリッドマンユニバース』は、なんと6月30日からMX4D上映を開始し、更に(既に6週分の特典を配ったにも関わらず)MX4D上映限定3週連続入場者プレゼントの配布も決定している。

全グリユニファンを驚愕させた浮かれポンチの図

このタイミングでこれだけの展開をするというのは中々の驚きなのだが、やはりグリユニという映画が、それだけ人々の心に大きな衝撃を与えたことの証明に他ならないだろう。

それこそ興行収入という観点から見れば前述の『シン・仮面ライダー』に遠く及ばないのだが、コンテンツを数ヶ月間追っかけていての満足度に関して言えば『グリユニ』のそれはとても高かったように思う。
何より制作側の「作品への愛」が随所から伝わってきたのがこの映画だった。「俺達はこんなに楽しい映画を全力で作り上げたぞ!!だから君達もこの作品を全力で楽しんでくれ!!」という声がいつも向こうから聞こえてきた。(自分が情報を積極的に追いかけていたからそう感じるだけかもしれんけど)

唐突な自分語り

この映画を観て自分はTwitter上で「うおおおおお!グリユニすごかった!ぎゃあああ!」という感じで(珍しく)騒いでいた。それを見たであろう友人夫婦が「なにそれ楽しそう」と、自分の暴れ具合(?)をきっかけにグリユニは勿論『SSSS.GRIDMAN』『SSSS.DYNAZON』にもハマり、あまつさえ『電光超人グリッドマン』までもを楽しく鑑賞してくれたのだ。

実は自分の好きな物を積極的に人に勧めたりはしないのだが、とはいえ自分の「好き」が人に伝わるというのはやはりオタク冥利に尽きる。

もう1つ、4回目の特典欲しさにSSSS.シリーズに全く興味のない友人をグリユニに連れ出すというイベントもあった。

全グリユニファンを驚愕させた六アカの図

忙しい中『SSSS.GRIDMAN』だけは全編見てくれたようなのだが、そんな友人もグリユニ上映中にガン泣きしていたらしい。自分自身泣くのに必死だった為その様子を確認した訳ではないのだが、後からそれを聞いてとても嬉しくなった。

『グリッドマンユニバース』という作品の持つパワーを身に沁みて感じた印象的な出来事を、せっかくなので書かせてもらった。

MX4D上映

そんなグリユニだったが、実の所GWが終わる頃には多くの映画館で上映が終了となっていた。(GW付近でマリオ等の大作も投入されていたし、興行収入を考えると仕方のない事だろう)
自分も5月11日に最後となる(つもりの)鑑賞をキめ、『グリッドマンユニバース』という作品にお別れを告げたつもりであった。
「次は円盤で会おうね」、と。

そしてどこか退屈ないつも通りの日々を送っていた所に、今回のMX4D上映の報である。これはもう、観るしかねぇ! 今観るしかねぇんだ!!
というヤツ。そんな訳でMX4Dグリユニを見てきたので軽く感想を書こうと思う。(なんとここまでが導入)

MX4Dとかいうよく分からんヤツ

現代の映画鑑賞には色々な種類があり、その中でも「MX4D」「4DX」の2つは(値段も含めて)群を抜いた体験を提供している。
Dolby CinemaやIMAXと言った純粋に鑑賞体験が向上するタイプの上映に足を運んだ事はあるのだが、近くにそれらを上映している場所が無かった事もあって「MX4D」と「4DX」は未体験。

というかそもそも「なんで映画観てる途中で椅子が揺れなアカンねんw」と思っているので、よっぽどの事が無い限りMX4Dに足を運ぶ予定も無かった訳である。
だがしかし、グリユニ上映はよっぽどのことである。祝☆脱MX4D童貞。

MX4Dの感想

まずは鑑賞直後の自分のツイートを見て欲しい。

元々抱いていた疑念がそっくりそのまま的中してクソワロタ状態である。

世間的の「MX4Dで作品への没入感が増す!」という声を見ていたので期待していたのだが、個人的には「没入感3割減」のデバフをくらっていた気分。
正直な所、心のなかでずっと「なんでこんな揺れんねん」というツッコミをし続けていた。そのせいで集中力が削がれてしまったのだと思う。

グリユニ観過ぎだった問題

一番の問題点は「次に何が起きるか完全に予想できるレベルで内容が頭に入ってしまっていた」事だと思う。

例えば、裕太が一人お風呂に入っている所にアンチくん謎の手がバン! となるホラーシーンを挙げてみよう。(余談だが、3回目以降の鑑賞では周りの人がこのシーンでビクッ! となるのを高みの見物していた)

このシーンが控えている時自分は「謎の手形に合わせて椅子がビクって震えるんだろうな。あとここぞとばかりに水がぶしゃーって吹き出してくるんだろうな」という予想をしてしまっていた。
当然そんな事をずっと考えているものだから、作品への没入度合いは低減してしまっている。

そもそも戦闘中に椅子がギッタンバッコン揺れて足元が謎の紐にベチンベチンされて顔に風がシューシュー吹き付けられて謎のライトが目の端でチカチカされると、「いやいやなんでそこまでするんw」という気持ちが常に心のどこかに居座り続ける。

ただこれはMX4Dが初めてだったからで、何度も観続けているとその内慣れてきて、演出の一環として色々と飲み込めるようになるのかもしれない。
ならないかもしれない。(でもストロボライトは絶対要らないと思う、あとエア関連の音うるせー)

ただ話によるとMX4Dは特に演出が激しいようで、4DXだとまた違った感想を抱くのかも。

僕は誰なの問題

そもそも座席が揺れるだの風が吹き付けてくるだのというのは、我々に「主観的な体験」をさせるため。
だが映画というコンテンツは、基本的に主観的な体験をさせるようには作られていない。余程の事でも無い限り三人称視点で物語が展開される。

そんな中でヒーローが殴られて座席が揺れ、怪獣が殴られて座席が揺れ、とされて、一体自分は今何目線なんだという疑問が常に付きまとってしまった。
なんならビルが倒れたりする時にも当然ガシガシ揺れるので、ビルになった気分すら味わえる!素敵!

多分そんな事自体考える必要は無いのだと思うが、要らん所でめんどくさいオタクの本領を発揮してしまった気がする。
そもそもMX4Dを想定していない映画に後付けをしているから、という話もあると思うが、客席が揺れる前提で作られる映画というのもどうなのだろう。
(一時期3D映画が流行っていた頃、それを意識した画作りがされることもあったよね(お前のことだぞ『ウルトラマンサーガ』))

ただ主観的な体験が幸いして、それこそ「自分もダイナゼノンに搭乗して戦っている」気分を味わえる瞬間はある。その点は良かったかも。

MX4Dの良かった所

ここまでMX4Dを下げ続けてしまったので、良かった点も書いておこう。

ぐんぐんカット体験

グリッドマンがぐんぐんと巨大化するのに合わせて、座席もゆっくりぐんぐんと倒れていった。
それこそぐんぐんカットなんてものは子供の頃から数千回と見てきたハズなのだが、「今までに無かった全く新しいぐんぐんカット体験」が今このタイミングで出来たのは純粋に感動した。(ところでウルトラマンブレーザーのぐんぐんカットはどんななんでしょうね、度肝を抜いてくるかも)

ヒーローの必殺技をくらう体験

怪獣がヒーローに撃破される時には必ず「必殺技」の存在があるのだが、その必殺技を浴びる体験が出来たのも非常に興奮した。

怪獣がビームを放たれるのに合わせて、座席が揺れ風が顔に吹き付けストロボライトがチカチカするのである。これはまさしく「必殺技を撃たれている体験」に他ならない。

実は自分、今までヒーローに必殺技を撃たれる体験をした事が無かった
それが今回のMX4Dで、必殺ビームを撃たれる気分を少しでも味わうことが出来て非常に良かった。

その他グリユニについてアレから色々と思ったこと

ここからはこの記事の補足で色々と書こうと思う。

ひめ

以前この記事で「ひめ」の「よくできました」というセリフが夢芽から引っ張ってるんじゃね? という事を書いた。
だが同じく「ひめ」の「いつまでも引きずってんじゃねーよバーカ」という言葉も、『SSSS.DYNAZENON』最終回でのちせのセリフを引用しているのではと遅ればせながら気付いた。(正確にはちせがゴルドバーンの心情を推測したセリフ)

「ひめ」が夢芽やちせと似た言葉を述べた。もしかするとガウマの「ひめ」を追い求める気持ちが、「ひめ」と似たような素質を持つ彼女らを近くに呼び寄せたのかもしれないなと思った。

賞味期限

「人として守るべき物」の3つ目として宣言され多くの波紋と考察を呼んだ「賞味期限」。
この3つ目を念頭に置いた上で『SSSS.DYNAZENON』本編を観てみると、想像以上にこの「賞味期限」という言葉がしっくり来る事に気付いた。

当然「賞味期限」を文字通り受け取ってしまうと違和感があるのだが、この賞味期限という言葉が伝えたいのは「タイミングを守ること」の大切さなのだと思う。もっと平たく言うと
すべき時にすべき事をする」ということ。
手遅れにならないようにする」ということ。つまり
今やるしかねぇんだ!」ってコト。
5000年前ともなれば、食料は今以上に貴重だっただろう。だからこそ、その「貴重な食料を無駄にしない」程に「人間としてタイミングを守ること」が大事なのだと説いたのではないだろうか。と珍しく真面目な想像をしてみた。

例えば『SSSS.DYNAZENON』本編最終回にてガウマは「自分の残り少ない命を削ってでも、ダイナゼノンに乗り込み蓬達と力を合わせてガギュラに立ち向かう」姿を見せてくれた。実際ガウマがこの選択をしていなかったら、蓬達の世界はめちゃめちゃになっていたかもしれない。『グリッドマンユニバース』も存在しなかったかもしれない。
蓬達が「かけがえのない不自由」を手にする事ができたのは、ガウマ隊全員があの場面で「手遅れになる前に今すべき事をした」からなのだ。

その事を「賞味期限を守る」と表するのは現代日本人の感覚には合わないかもしれないが、そこは5000年前だからという事で。とりあえず自分は「賞味期限」という言葉をこのように解釈した。

まとめ

という訳で、MX4Dの鑑賞体験は正直イマイチだった。とはいえこれに関しては慣れの部分もあると思うので、もう少し足を運んでみようと思う。
なんだか次はもう少し楽しめそうな気がする。でもちょっとお高くないですかね

この『グリッドマンユニバース』という映画は、間違いなく自分の人生の中でトップクラスに影響を与えた作品の1つとなった。
単純な作品の面白さというバロメーターであれば、グリユニに類する作品も超える作品もあるだろうが、ここまで自分が肩入れする作品というのは当分生まれないのでは無いかなと思う。(願わくば『ウルトラマンブレーザー』にもそういう作品になって欲しい)

それこそ今回のMX4Dというコンテンツ自体も、このグリユニが無かったら今後一生体験することが無かったかもしれない。グリユニは「ユニバースを広げること」の大事さを教えてくれた。
ありがとうグリッドマン。ありがとうグリッドマンユニバース。

今はこんなグリユニに夢中になっているが、やはりいつかは別のコンテンツに心が移り、グリユニの記憶が薄れてしまう日も来るだろう。でもそんな時にこそこの歌詞がピッタリハマる。

時代は変わる 僕らも変わる
それでも心はユニバース

ではでは。

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