Ghost Ship
灯台、崖、舟と壁
光源が靄の中で冷たく静かに
息を引き取る気がする
オレンジや白や緑や燃えるような赤や
燃え尽きたような真っ白だったはずの灯台の火が
雨戸を降ろして鍵を締切った部屋のように
全ての電源を引っこ抜いた部屋のように
テレパシーも電波も届かない
棺を作り上げている
舟の中で後方から迫る動き続ける壁に怯えている
俺も君も同じはずだが
君と腐乱死体は気にも止めない
もしも、丘の上に、たどり着き
時々幸せに思ったり、時々夢を見れるなら
俺も腐乱死体になるべきだろうか。
蜃気楼と笑う水平線
鏡の国のアルビオン
ハンモックで見た夢は揺りかごのデジャブ
淀んでいる既視感
押し寄せる壁が淵を突き抜けて
宙に産まれる瞬間に
夏は終わる
俺も腐った匂いのする卵になる。
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