教師122日目~現実と夢と~

スケジュール

8:30~8:40 職員会議
8:40~8:50 ST
8:50~9:40 テスト監督
9:55~11:15 テスト作成
11:15~11:30 クラス写真撮影
11:30~12:30 初任研
12:30~13:00 昼食
13:00~13:10 消火器訓練
13:10~16:00 質問対応
16:00~17:40 テスト印刷

とうとう明日は物理のテストがある。
今回はどれくらいの平均点になるのかドキドキだ。
自分で作った問題を何度も見ているとめちゃ簡単に思えてくる。
ただでさえ、何が難しいかよく分からんくなってるのにそうなると平均点の予想が全くつかない。
まぁ、後は生徒を信じて静かに時を待つしかない。

テストの日はほとんどの先生が17:00には帰るので、今日は17:30の時点で僕と教頭しか残っていなかった。
遅くまで残った感はあったが、まだ17:00だし何なら18:00から予定があったので時間配分は予想通り。
生徒からの質問が思ったより少なかったのが予想外ではあったかなという感じ。

質問が少ないということは出来るわけではなく、諦めている人が増えたからだと思う。
文系に行くことを決めて、物理を諦めた勢がたくさん居そうで怖い。
もちろん、そういう選択をすることは悪くないが進級のために最低限点数は取って欲しいところ。

さて、話は変わって今日の初任研。
主任の過去の教育困難校での話だった。
それはそれは壮絶で僕が見たことすらないほど過酷な環境に置かれている生徒も居るもんだと思ったと同時にそういう生徒に何かしてあげられることはあるのだろうかと不安になった。
本で読んだり、当事者の話を聞いたことはあるけどやはりそういう生徒を目の前にすると自分の無力さを痛感するもんなのかなとも思った。

その話を聞いて、他の初任者は泣いていたが僕は涙が出なかった。
共感力が低いからなのか、数少ない出来ることを精一杯やるしかないと鷹をくくっているからなのかは分からない。


本当に目の前にそういう人が現れてみないと何とも言えないが、やはりそういう環境に居るかもしれないことに思いを馳せて、問題行動の背景に迫っていかないといけないと感じた。
そして、自分は1人では何も出来ないちっぽけな人間かもしれないが、それでもどうにかしてあげたいと思うのもまた人間で、1人でも多くの人の救いになれたらなと思う。

僕にはどうしようも出来ない人もたくさん居るが、様々な人や組織と連携しながらやれることを目の前の生徒のためにやるだけかなとも思う。
冷たいようだが、そこまでやってどうにもならないことは割り切るしかないのかなと。
こっちも沼にはまりこんで、将来の助けられるかもしれない生徒まで犠牲にするわけにはいかない。
教師の労働問題も関わってくる。

そんな過酷な環境に居る生徒を救うためには時間がかかる。
その時間をどこから捻出するか、それはもちろん部活動等の本来業務ではないものだ。
僕はそんな学校を作りたい。

育てたい生徒像を明確にしたうえでカリキュラムから考えていく。
要らないものはとことん切って、本当に必要なことだけをやる。
人員を増やして、負担を減らす。
仕方がなくやってもらった分にはきちんと対価を払う。
そんな魅力的な職場環境によって理念に合う実力のある教師を集める。

様々な面で配慮が必要な昨今だからこそ、教師にもさらなる多様性が必要なのではないかと考える。
後は必要なのは資金。
どこから調達して、持続可能なビジネスにしていくか。
そこを探りながら繋がりを作りながら働きたい。

学校を作るというゴールから逆算したキャリア設計。
僕のやりたいことは目の前のより多くの人に笑顔を与え、より良く生きてもらうこと。
より多くの人と長く深く関わってその人の人生を自分の人生のように追体験するような仕事がしたい。
そう思うと、教師という仕事は天職なように思える。

しかし、それと同時に過去やしがらみに捕らわれることなく自分の良いと思うことをやりたいという気持ちも強いし、尊敬出来る、志を共にする人達と働きたいという気持ちも強い。
そう思うと、自分で学校を作り、この人と決めた人達と自分達が掲げた理念に向かって突き進んでいきたい。
それが出来るのであればいくらでも批判を受ける覚悟はあるし、矢面に立って仲間を守るために働きたい。

学校を作ることはなかなか難しいことだとは思うが、やっている人が居る以上不可能ではない。
教育は様々なビジネスと関連させられるし、上手く構造を作ればお金も生み出せる。
お金に捕らわれては本末転倒だが、良い教育をするためにはお金が必要だ。
そこを理解してくれる人達と教師が楽しそうに働き、生徒に夢と希望を与える学校を作りたい。

その為に必要なことは何だってやっていこうと思える。

最重要条件は教師の労働環境を良くすること。
すべてはそこから始まる。
そんな学校を作る。

終わり。

教師の労働の実態について書いています。 忙しいなかでも投稿する励みになりますので、良ければサポートのほどよろしくお願いします! 一緒に教師を今よりもっと魅力ある職業にしていきましょう。