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世界統計年鑑で見るヨルダン【JOCV Day250】

昨年の7月に日本からヨルダンに渡航した際、重量制限により預入荷物にも持込荷物にも含めることができなかった書籍が何冊かある(結局超過料金を支払うことになったが)。その一つが「世界統計年鑑」である。

数字を眺めることが好きなのだが、8ヶ月間ヨルダンで生活してから改めて眺めてみると何かと気付くところがあった。残念ながらピンとこないところもあったが、もう少し長く生活していれば気付けたのだろうか。過去のnoteも参照しながら、以下に備忘録としてまとめておこうと思う。

■ヨルダンの難民受入人数は69万人(2016年)

2016年におけるヨルダンの難民受入人数は68万5200人と、世界第7位となっている(Page 23)。ヨルダンの上はトルコ(287万人)、パキスタン(135万人)、レバノン(101万人)、イラン(98万人)、ウガンダ(94万人)、エチオピア(79万人)となっている。数字を見るとおそらくシリア難民が占めていると見られる。現在はシリア難民は130万人、またパレスチナ難民は推定200万人と推定されている。

シリア難民は主に2011年以降にヨルダンに入ってきたが、パレスチナ難民の歴史はシリア難民よりずっと古い。ヨルダンで生活をしていると「国籍はヨルダンだけどオリジナリティはパレスチナだ」という人に何人も出会った。

パレスチナ、シリア、イラクからの難民を合わせると人口の3割以上を難民が占めることになり、ヨルダンを語る際に難民を無視することはできない。

■二国間及び他国間援助の受取額は世界7位(2016年)

ヨルダンの二国間及び他国間援助の受取額は30億ドル弱で、世界で7番目に大きい(Page 42)。上にはシリア(約90億ドル)、アフガニスタンとエチオピア(約40億ドル)、トルコ、パキスタン、ベトナム(30~40億ドル)となっている。一人当たりの受取額では約290ドルと、ヨルダン川西岸・ガザ地区(約528ドル)、シリア(約481ドル)に次いで世界で3番目に多い。

ヨルダンは隣国から大量の難民を受けれている訳だが、隣国との関係性を上手く維持しながら、国際社会に対しては難民受入国としての役割を発信することで援助を促し、自国の維持と発展に繋げている。シリア難民を事例にヨルダンの政策を考察した論文を以前のnoteにまとめている。

今回はここまで。次回はヨルダンのエネルギー事情、失業率などを取り上げようと思う。

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