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ヨルダン植物紹介8|オオイヌノフグリ【JOCV Day217】

ヨルダン植物紹介も8回目となる。

誤解を避けるために補足しておくと、「ヨルダンで私が見かけた植物」を紹介するものであり、その植物がヨルダンの在来種なのか、外国からやってきた外来種なのか、といったことは特に気にしていない。日本ではあまり見かけない植物を詳しく知りたくなってしまうので、ヨルダンや砂漠地帯、地中海東部のレバント地域の植物を紹介することが多くはなるだろうが、私がヨルダンで生活するなかで遭遇した植物は何であろうと掲載対象にしている。

そういうわけで今回は日本でもたくさん見かける「オオイヌノフグリ」を紹介する。道端を歩いていたらふと見慣れた青い花を見かけたので、近づいてみると「オオイヌノフグリ」だった。

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まとまって咲いていた。大きさを見るためにJICAの帽子を置いてみたものが以下の写真。

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オオバコ科クワガタソウ属の植物で学術名は"Veronica persica"。近縁種にタチイヌノフグリ(Veronica arvensis)やフラサバソウ(Veronica hederifolia)などがいる。いずれも地中海東側のレバント地域に生息が確認されているものだが、2月に開花していることと、花の大きさから見るに、オオイヌノフグリだと思われる。ヨルダンの野生生物が網羅されている "Field Guide to Jordan"(Day189参照)によると、ヨルダンではクワガタソウ属(Veronica)の植物が12種類報告されている。

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濃い青色の綺麗な花を咲かす。大きさが微妙に異なる4枚の花弁がある。1枚が他の3枚に比べて小さくなっている。

ヨーロッパが原産だが、今では中東、アフリカ、オセアニア、アジア、南北アメリカなど世界のあらゆる地域に生息している。日本でも広く生息しており、Wikipediaの「オオイヌノフグリ」のページでは「雑草」と書かれ、英語版Wikipediaの "Veronica persica" のページでも「雑草として一般的に認識されている」と書かれている、少しかわいそうな種である。

オオイヌノフグリを漢字で書くと「大犬の陰嚢」と、これまたかわいそうな名前が付けられているが、人目につかない道端でもたくましく生き、植物の中でも高い適応力と繁殖力を以って世界中で繁栄することに成功していることに敬意を示したい。

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