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植物紹介|アネモネ【JOCV Day203】

ヨルダンの植物紹介も5回目となる。今回紹介するのは「アネモネ」である。

学術名は"Anemone coronaria"と言う。"(Dahnon) دحنون"と言うアラビア語名もあるが、Anemoneと英語名で言うことも多い。

日本語ではボタンイチゲ(牡丹一華)、ハナイチゲ(花一華)、ベニバナオキナグサ(紅花翁草)などの和名が付けられている (※1)。

キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草で、春の早い時期に花を咲かす。まだ2月頭だが、配属先の近くで一輪だけ咲いているのを見つけた。これからが開花のシーズンになるだろう。

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花は赤いものがメジャーだが、白や紫の花もいる。園芸用の品種開発も盛んに行われている。ヨルダンではアンマン、ジェラシュ、イルビッドなどの北部の高地で生息が確認されている(※2)。

原産は地中海であり、イスラエルの国花に指定されている。ちなみに以前はシクラメンがイスラエルの国花だったようだ。シクラメンはこのnoteでも紹介している。

2007年にシクラメンがイスラエルの国花として指定されたが、国内の自然保全を担うイスラエルのNPOである"Society for the Protection of Nature in Israel"が実施した世論調査により、2013年からアネモネが国花の座を獲得している(※3)。

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花弁と萼片の区別が難しく、総称して花被片(tepal)と言う。花被片が5-8枚あり、青紫色の雌しべが中央に、そのまわりを雄しべが囲んでいる。ポピーやバターカップと似ているが、別の種である(※2)。

アネモネはラヌンクリンという配糖体を合成する。葉や茎が損傷を受けた時などにグルコースとプロトアネモニンに分解され、後者が皮膚の炎症などの毒性を示す(※1)。見た目は可愛らしい花だが、迂闊に摘むと痛い目に遭う。

※1 Wikipedia「アネモネ」
※2 "Field Guide to Jordan Second Edition" Page 194
※3 Wikipedia "List of national symbols of Israel"


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