外務大臣から感謝状が届いた
2019年7月から2020年3月までのおよそ8か月間、青年海外協力隊としてヨルダンで活動していた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて緊急帰国したのだが、終息が見えない中、2020年8月を以って任期を満了した。
既に新しい組織で仕事をしている訳だが、先日外務大臣から「感謝状」なるものが届いた。
あなたは青年海外協力隊に参加し
海外ボランティアに尽力され
派遣国の経済・社会の発展・復興に寄与し
我が国と派遣国の友好親善に多大なる貢献をされました
よってここに深甚なる感謝の意を表します
今後も途上国での経験を活かし
我が国内外で活躍されることを祈念します
令和二年八月三十一日 外務大臣 茂木敏充
青年海外協力隊の事業主体は独立行政法人国際協力機構(JICA)であるが、JICAを主管しているのは外務省である。そんなわけで外務大臣から感謝状が送られてくるわけである。
感謝状の内容だが、JICAボランティア事業の目的を思いっきり反映したものになっている。
(1)開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
(2)異文化社会における相互理解の深化と共生
(3)ボランティア経験の社会還元
JICAボランティア事業の概要 より
身に余る感謝のお言葉をいただいた訳だが、感謝状の記載内容を実際に果たせたかというと甚だ疑問だ。
あなたは青年海外協力隊に参加し
>これは事実なので本当
海外ボランティアに尽力され
>これもまあ尽力した
派遣国の経済・社会の発展・復興に寄与し
>ここは相当怪しい。青年海外協力隊の活動において、明確な数値目標を定めることは難しく、また絶対的に要求されている訳でもない。私の場合、配属先の発展のために資金協力か技術協力を得ることを目標の一つに定めていた。仕掛けていた案件はいくつかあったが、達成できないまま任期を終えた。
我が国と派遣国の友好親善に多大なる貢献をされました
>現地では大切な同僚・友人に巡り合えたので、これは良しとしよう。JICAボランティアは「草の根の外交官」と言われることもあり、「外交」という点は意識して活動・生活していた。「友好親善」という言葉は響きは良いが、実際は苦しむこともあった。ただでさえ街中では目立つわけで、特にアジア圏で新型コロナウイルスが流行していた1、2月は「コロナ!」と指を指されたり、UBERに乗せてもらえないこともあった。生みの苦しみとでも言っておこうか、そこに向き合ったことへの感謝として受け止めておこう。
よってここに深甚なる感謝の意を表します
>こちらこそ多大なサポートありがとうございます。
今後も途上国での経験を活かし
>協力隊派遣前の訓練で「ファクトフルネス」を紹介してくるあたり、JICAはそろそろ「先進国」と「途上国」という言葉の使用を控える、あるいは相当慎重に使ってほしいところだが、青年海外協力隊としての経験は今後至るところで活かされるだろう。幸いオンラインでの繋がりの大切さをほぼ全人類が認識し始めているので、ヨルダンで出会った人々との繋がりを維持していければと思う。
我が国内外で活躍されることを祈念します
>インシャ・アッラー!
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