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任国外旅行の旨味が霞むヨルダンの地理的アドバンテージ【JOCV Day168】

2019年も残すところあと1日となった。年末年始に旅行にでかけている隊員は多い一方で、私の配属先をはじめヨルダンには年末ムードは殆ど無い。配属先に関しては12月31日も出勤、1月1日のみ祝日扱いで、1月2日にはまた出勤である。4月末から1ヶ月間続くラマダンと、7月末のイード連休にはどっぷりと休んでやりたいと思っている。

さて青年海外協力隊には任国外旅行制度なるものがある。JICAの規定で定められた国と地域内に限り、年間20日間の旅行を認めるというものである。日本への一時帰国も許されている。青年海外協力隊の任期は原則2年間のため、最大40日間は任国外への旅行が認められていることになる。もちろん、配属先の許可を得ることが大前提となる。

最大40日間を全て消化する隊員もいれば、全く消費しない隊員もいる。いずれの場合も隊員それぞれ事情があると思うので、任国外旅行の正解・不正解は無い。

私もまさにどこに行こうか考えているのだが、結論としては「ヨルダン国内を一通り楽しんでから任国外旅行を考えるので良いだろう」というところに落ち着きつつある。というのも、ヨルダンの国土面積と2年間というヨルダンダン滞在期間との相性がとても良いのだ。

ヨルダンの国土面積はおよそ9万平方キロメートル。北海道より少し大きく、ポルトガルより少し小さい。

札幌で2年間働きながら生活したとしよう。1年間に含まれる土日の数はおよそ104日。2年間で208日となる。北海道の市町村の数は179(北海道ホームページより)であるから、1日に1市町村のペースで、2年間で道内すべての市町村を訪ねることができる。札幌からであればどの市町村も日帰りないしは1泊2日でアクセスできるだろう(←裏が取れていませんので、間違っていましたら申し訳ありません)。

さてヨルダンだが「地球の歩き方|ぺトラ遺跡とヨルダン(2017~2018)」の町歩きガイドに掲載されている観光スポットはぺトラ遺跡、死海、アンマンなど14カ所で、いずれも日帰りもしくは1泊2日でアクセスできる。2年間を上手く使えば、地球の歩き方に掲載されているスポットは十分に制覇できてしまうのだ。

World Population Reviewという、各国の人口とその内訳が掲載されているサイトによると、ヨルダンには人口が1万人以上の町(City)が36個あるようだ。アンマンに次いで2番目に大きい町はザルカだが、地球の歩き方では紙面が割かれていなかったりする。いずれにせよ36カ所である。地理的な側面だけで話してしまえば、2年間で全ての町を訪れることは可能だ。

任国の国土をくまなく散策できる隊員はおそらく少数である。中国やインドネシア、モンゴルなど、国土が日本よりも広い国に派遣されている隊員もいるが、仕事をしながらこれらの国に存在する町を2年間ですべて訪れることは難しい。ヨルダンは調度良い国土面積に加え、バスやタクシーなどの交通網が発達している点で、とても恵まれている方だと感じる。

当たり前だが2年かけてヨルダンのありとあらゆる町を訪ねたからといってヨルダンに詳しくなるわけでは無い。北海道に2年間住んで「北海道はうちの庭です」とは絶対に言えない。

ただ、縁あってヨルダンに派遣され、ヨルダンの人々と働いているので、少しでもヨルダンについて理解を深められたらと思う。そして幸いなことに地理的な条件については追い風が吹いている。

渡航可能な外国のリストをみて興奮していた時期もあったが、今は少し落ち着いている。

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